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春のオルガン

湯本香樹実

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784198602505
ISBN 10 : 4198602506
Format
Books
Release Date
February/1995
Japan

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • はる

    湯本さんのあとがきによると、御自身の実体験がかなり反映されているそう。他の作品に比べると、暗く不安定な感情が強く描かれていますね。ちっぽけで頼りない子供の頃の世界。切ないような、可笑しいような懐かしさ。大人との距離感の描き方が魅力的です。好みが分かれるようですが、私は好きだな〜。

  • mincharos

    「夏の庭」「ポプラの秋」は大好きで何度も読み返した作品。これで春夏秋は読破したことになるけど、あれ?冬は?小学校を卒業したばかりのトモミ。両親が不仲なせいか、大人になることに怯えている。原因不明の頭痛、自分がカイブツになってしまう夢。ご近所トラブルや祖母の死。弟のテツはまだ小学4年生で純粋で、姉としてとても心配。近所のゴミ捨て場にいる沢山の捨て猫。それに毎日餌をやる変わったおばさん。そのおばさんやトモミのおじいちゃんの言葉がすごくいい。姉弟で過ごす春休みが明けて、トモミは少しだけ大人に近づいた。

  • さつき

    小学校を卒業し、中学校に入学する前の春休みの出来事。もう小さな子どもではないけれど、まだ大人にもなれない微妙な年頃をこんなにも生々しく書けるのがすごいと思いました。ご近所トラブルや野良猫の餌やりの問題など、身近にありそうなことが起き、その一つ一つに傷ついていく少女。大人同士の問題が子どもの生活の安定も脅かすようになり、全面的に母親の正当性を信じられなくなっていきます。誰でも一度は通る道なのでしょうけど、身につまされました。姉弟の仲が良く、お互いいたわりあっている姿には憧れます。

  • てんちゃん

    児童書に分類される本のようですが、大人が読んでも十分満足できる作品。子供から大人へと変化しつつある繊細な心の動き。大人の抱える心の傷を厚かましくなく、ほろ苦く表現する人間考察の深さ。文章の整った心地よさ。『どうしようもないかもしれないことのために、戦うのが勇気ってもんでしょ』良い言葉だ。その通りだと思う。

  • 星落秋風五丈原

    怪物になる夢にうなされる12才の私。家族は敷地をめぐる隣家との争いでバラバラになりかけ、弟は隣への復讐のためにいやがらせに使う猫の死体を探し始めた。いつの間にか徐々に変化していく身体と共に少女の内的世界も広がっていく。中学入学前の春休みという中途半端で不思議な時間を細やかに描いた一人称小説。

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