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虚構から史実へ 中国史書による国家の正統化について 早稲田新書

渡邉義浩

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784657250049
ISBN 10 : 4657250043
Format
Books
Release Date
April/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

古来、「物語」により表現されてきた中国の歴史。それは周代に始まり、諸子百家による物語を用いた啓蒙活動を経て、前漢における儒教の国教化や、後漢での「古典中国」という規範の成立を背景に、国家が自らの正統性を担保するための「史書」という形で結実する。本書では、物語から史書へと至るその経緯を、周代の金文にまで遡ったうえで、数多くの古典を時系列的に詳らかにしながら、古代中国において思想と国家とが、物語によって正統化されていくその実相をひもといていく。

【著者紹介】
渡邉義浩監修 : 早稲田大学常任理事・文学学術院教授。東京都出身。文学博士。専攻は「古典中国」学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    キリスト教徒の聖書、ムスリムのコーランに相当するものが中国における史書なのだとわかる。宗教では神の言葉として伝えられた内容が、論語から荀子、管子や韓非子、史記に春秋などは著者の思想や政治的目的を語る書として著された。それらを弟子や後続の国家が自分に都合よく解釈し、国家を正当化するための不朽の古典扱いしていく。そこではキリストの奇跡同様に事実より物語が重視される、いわば中国教の聖典とされた。共産党政権もマルクスや毛沢東の著作を新たな聖典に加えたのに過ぎないのなら、中国4千年の歴史とは壮大な物語の連続なのか。

  • さとうしん

    儒家経典や諸子の書が説話によって自らの思想を説くという方式が『春秋』を継ぐことを目指した『史記』や、更に『史記』の後伝として著述が開始された『漢書』に受け継がれ、後の時代の正史なども史伝、あるいはその選択によって正統観を提示することになったという趣旨。岡本隆司『二十四史』の前段にあればよかったという内容。

  • ジュンジュン

    過去の復元を目指す近代歴史学。その薫陶を受けた現在からみると、中国の史料は厄介だ。「如何であったか」に関心はなく、「今を正統化する為に過去はどうあるべきか」が重要。故に改ざん、追加は当たり前。どんどん上書き保存されていく。

  • 竜王五代の人

    歴史上のできごとは自分の論を組み立てるための材料に過ぎず、史書は史実を語るのではなく、形をかえた論文に過ぎず、捏造・改竄なんでもあり、な中国「正史」事情、なんだけど。どうも論を組み立てるのに回りくどいというか、いつもの本に比べすっきりしないものだった。

  • Go Extreme

    国家の正統化 虚構から史実へ 歴史書と物語の境界 聖王たちの表現 周公旦の故事利用 賢い女性は国を傾ける 笑わぬ女 孔子伝説の展開 孔子物語の多様性 荘子の孔子批判 儒家思想の改変 礼の重要性 宗族の神話 『漢書』の正統性確立 儒教の国教化 思想的政治的目的 物語と史実の融合 後世の歴史観への影響 国家基盤としての儒教 特定の行為の正当化 権威を高める改変 史書の奥深いメカニズム 教化のための書 普遍的道徳との矛盾 新たな視点の提供

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