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仁術先生 集英社文庫

Junichi Watanabe

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087452235
ISBN 10 : 4087452239
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2014
Japan

Content Description

東京下町の個人病院に勤務することになった円乗寺優先生。堅苦しい大学病院から逃れてやって来た。専門は外科だが、内科、婦人科、何でも診ることとなる。酒好きな先生は、ある晩近くの寿司屋に入ったが、店の青年が自分の患者であることに気づく。彼は他人には言えない病気の持ち主だった―人情味あふれる仁術先生の診察と活躍を描く異色のメディカル・ユーモア小説。未刊行作品、ここに初登場!

【著者紹介】
渡辺淳一 : 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。70年『光と影』で第63回直木賞受賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。2003年には紫綬褒章受章。14年4月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 扉のこちら側

    初読。2015年722冊め。読みながら円乗寺先生になんだか既視感。奥田英朗の描く「精神科医伊良部」がこんな感じだったな、と。こちらは昭和の下町の先生だしこちらの方が古い作品だけど。人情味溢れる医師と、「仁術」の描かれ方がおもしろい。

  • starbro

    日本の文壇の巨匠だった渡辺淳一も40年前はこんなほのぼのした作品を書いていたんですね!予想以上に新鮮で楽しめました。

  • けいた@読書中はお静かに

    ナツイチ文庫。「腰抜けの二人」が好き。渡辺淳一は「失楽園」や「愛の流刑地」みたいな男女のドロドロ憎愛劇というイメージがあるんだけど、軽いコミカルな小説も書くんだなー、と思って初出を見たら1970年前半。まだ作家として若いときの作品みたいです。人情味溢れる作品ながらもシモ系の話ばかりなので、医療系の話が好きな母に勧めていいものかどうか迷ってます。

  • こういち

    著者が語る、医療行為にスポットを当てた小説が好きだった。流れるような筆致は、まるで紅葉に彩られた葉先が、一条の風にそよぐ柔らかさと艶めかしさを表し、人間という生き物の強さと弱さを教えてくれた。本書の主人公・円乗寺医師の、大学病院で講師を勤めながらもそれを辞し、下町の小さな診療所に身を置く設定は、常に著者の生き様が行間に満ち溢れ、医療とはヒューマニズムの結晶であることを思い知る。これまでの作品を辿りながら、著者の境地の一端にでも到達できたなら本望だ。

  • 一笑

    東京向島の個人病院に勤務する医師円乗寺優とそこを訪れる患者達が織りなす物語。元医師という渡辺先生の真骨頂発揮の5+1話の短編集。ちょっと人には言いづらい病気の人が訪れても円乗寺医師は動ずることなく対処していく。ちょっとエロっぽいユーモアを意識したところもある。発出は1972年と古いけれど、まだ書籍化されていない短編を2014年に文庫化した物らしい。ザ・昭和というところは否めないけれど、とっても読みやすくとっても面白かった。賛否両論あるのだろうけれど、私としてはこういったザ・昭和感がたまらない。

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