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虚像のロシア革命 後付け理論で繕った唯物史観の正体

渡辺惣樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784198656713
ISBN 10 : 4198656711
Format
Books
Release Date
September/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

筆者は、ウィルソンとチャーチルの愚かな外交がなければ、ロシア革命はあり得なかったと考える。唯物史観は人間社会の最高の発展段階が共産主義社会と説く。しかしそれは「偶然の産物」に過ぎなかった。けっして歴史の発展の必然として出来上がった代物ではない。この2つが本書のテーマである。

目次 : 第1章 第一次世界大戦勃発/ 第2章 チャーチルの謀略(英国参戦)と第一次世界大戦/ 第3章 第一次世界大戦とチャーチル・ウィルソンの思惑/ 第4章 ロシア革命を巡る米英の思惑/ 第5章 失意の革命家レーニン/ 第6章 封印列車/ 第7章 ボルシェビキ(11月)革命と英国の悔恨/ 第8章 ケレンスキーの愚かさとボルシェビキ革命/ 終章 ウッドロー・ウィルソン外交の失敗と唯物史観の虚構

【著者紹介】
渡辺惣樹 : 日米近現代史研究家。北米在住。1954年静岡県下田市出身。1977年東京大学経済学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • KAN

    ロシア革命の実態が第一次世界大戦の始まりから詳細に描かれる。共産主義思想は正義の美名を振りかざしながらも、つまるところ、資本家、国家に搾取される労働者の被害者意識から始まる敵を殲滅する革命に走る人間のエゴを克服できない。戦争の最中に大国の利害が絡み合い、その間隙の中で生まれたロシア革命。戦後教育はレーニンに始まるポルシェビキたちの実態を教えられないわけだ、と納得。Nationの訳語が「国家」。日本語だと「家」の文字が入っているのに、打倒する敵とみなす思想はやはり克服しないと平和は訪れない。

  • くらーく

    そうかもね、としか言いようが無いのよねえ。事実は覆る訳でも無いし。現代から振り返れば、どうして共産独裁国家が出来たのか?第2次世界大戦で、資本主義自由経済の米英が(ドイツではなく)ソ連と手を組んだのかが、どうしても理解できないのですわ。でも、当時の状況では、各国の為政者や軍人たちが、それぞれの思惑を基に最善と思って行動した結果なんだよねえ。そうぢゃない、と過去の人に言いたいところだけどさ。 不思議な事に、英米も独も露を支援していた訳で。何とも歴史の皮肉を感じるなあ。本当に運命は皮肉的だわ。

  • フレデリック

    タイトルからロシア革命の解説と考察の本だと思ったけど、内容としては第一次世界大戦の詳細による著者の研究成果といった感じ。とても面白かった。一般的にはウィルソンとチャーチルが米英参戦することで戦争を終わらせることが出来た、という説明が多いが、筆者は全く逆で、ウィルソンのヨーロッパ諸国の関係性の誤認識、チャーチルの出世欲などがヨーロッパの局所的な紛争で済むはずの戦争を世界大戦にまで拡大させてしまった、と結論付ける。そしてヴェルサイユ条約がドイツへ大きな禍根を残し、再び世界規模の大戦を誘発する。

  • ひよこ皇太子

    第一次世界大戦で苦戦していたドイツは英仏に講和の意思を示していたが応えてはもらえなかった。アメリカが参戦してくる前にロシア方面を落ち着かせるために危険人物とわかっていながらもレーニンを利用した。ロシアでレーニンに権力を握らせてドイツと講和させるのが狙いで、当時のロシア政権の失敗も重なって政権奪取に成功した。各国が協力して共産主義国家を作ってついでにナチス誕生の種も蒔いていたのか。

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