Product Details
ISBN 10 : 4794812701
Content Description
本書の初版となる『デンマークに生まれた「フォルケホイスコーレ」の世界』は1993年に刊行され、1996年に『生のための学校』と改題されている。それ以後、長きにわたって版を重ねてきたので、十分「ロングセラー」と言えるだろう。
初版刊行時、デンマークの教育システムが日本に広く知れわたるとともに、「ゆとり教育」などに若干の影響を与えたようだが、その後、日本における教育事情は逆戻りしてしまった。また、フォルケホイスコーレの意義の一つは市民社会を支える市民教育であるが、日本は官製の生涯学習がさらに強化されており、市民の自発性が弱まっているように思えるので、本書を改訂して、刊行を続けていく社会的な意義がまだまだ十分ある。
改訂内容は、第1部については歴史的な記述が多いのでそのままとし、学校数などのデータのみ刷新した。第2部はすべて新原稿である。2010年代に留学した2人の体験記と、リュ・ホイスコーレの前校長、オレ・トフトデルへのインタビューを掲載した。第2部を読まれることで、ホイスコーレのもつ「生きた言葉」がつなぐ共同性、ホイスコーレに学び、滞在した人のみが経験する「空気」のようなものが感じとれるはずである。
【著者紹介】
清水満 : 1955年、対馬に生まれ育つ。1991年、九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。2012年、北九州市立大学社会システム研究科博士課程早期修了。博士(学術)。専攻は、倫理学、政治思想。デンマークのホイスコーレ運動にヒントを得た教育市民運動ネットワーク「日本グルントヴィ協会」の幹事をしている。著書に『フィヒテの社会哲学』(九州大学出版会、2013年、2014年度フィヒテ賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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