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原子の力を解放せよ 戦争に翻弄された核物理学者たち 集英社新書

浜野高宏

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087211788
ISBN 10 : 4087211789
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

心震わす3人の若者の感動の青春群像
『映画 太陽の子』の背景となった事実に迫る!

◆内容◆
太平洋戦争開戦直後、アメリカ軍の上層部にはある疑問があった。
それは日本の“原爆開発”。
終戦後、その実態を明らかにするため、アメリカは調査団を派遣し、大戦中の日本の核開発の実態を調べた。
しかし、その調査結果は機密扱いとなり、長い間、すべてが謎に包まれてきた。
NHK取材班は、当時の関係者や歴史家の取材を通じ、アメリカに没収され、戦後埋もれていた歴史的資料を発掘し検証した。
そこから、激化する戦争の波に巻き込まれていった核物理学者たちの姿が見えてきた。
本書では、知られざる京都帝国大学による原爆研究の真相に迫り、科学研究の「原罪」について考える。

◆目次◆
プロローグ─すべては一束の日記から始まった
第一章 日本は“核兵器の開発”をしていたのか?
第二章 日本の“核兵開発”を調査せよ
第三章 アジアを代表する核物理学者・荒勝文策
第四章 なぜアメリカは日本の“原爆開発”を疑ったのか
第五章 浮かび上がった「F研究」の実態
第六章 広島での原爆調査・荒勝の信念と葛藤
第七章 サイクロトロンで荒勝が夢見たもの
第八章 戦後“科学の原罪”と向き合った核物理学者たち
第九章 「F研究」が現代に問いかけるもの

監修・解説 政池明(京都大学名誉教授)

◆著者略歴◆

《NHK取材班》

浜野高宏(はまの たかひろ)
1966年、東京都生まれ。NHKエンタープライズ、プロデューサー。1990年NHK入局。広島放送局・報道局・編成局を経て現職。

新田義貴(にった よしたか)
1969年、東京都生まれ。ドキュメンタリー監督。NHKを経て独立しユーラシアビジョン設立。劇場映画「アトムとピース」「歌えマチグヮー」など。

海南友子(かな ともこ)
東京都生まれ。ドキュメンタリー監督。NHKを経て独立。サンダンス国際映像作家賞受賞。代表作に3・11と出産を描いた「HUG(抱く)」。他作品多数。

【著者紹介】
浜野高宏 : 1966年、東京都生まれ。NHKエンタープライズ、プロデューサー。慶應義塾大学卒業。1990年NHK入局。広島放送局・報道局・編成局を経て現職

新田義貴 : 1969年、東京都生まれ。ドキュメンタリー監督、ジャーナリスト。慶應義塾大学卒業。NHK報道局、衛星放送局、沖縄放送局等で、中東やアジア、アフリカの紛争地取材、沖縄の基地問題や太平洋戦争などに焦点を当てた番組制作を行う。2009年独立、映像制作ユーラシアビジョンを設立

海南友子 : 東京都生まれ。ドキュメンタリー監督。19歳で是枝裕和のドキュメンタリーに出演し映像の世界へ。NHKを経て独立。「川べりのふたり」(2007年)でサンダンスNHK国際映像作家賞。「ビューティフルアイランズ」(EP:是枝裕和/2010年)は釜山国際映画祭アジア映画基金賞受賞、日米公開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • breguet4194q

    NHKで放映された内容を再構成した一冊。戦時下の原子核物理学者の活動の模様を克明に著してます。軍に翻弄され形上加担と言う立場の中で、研究を続ける姿は、本当にやるせない想いだったろうと思います。また、一時は軍の原子爆弾の開発に加担した者が、本来あるべき研究姿勢を見直すようになります。最先端の科学が軍事利用され、「科学が進歩すれば幸せな社会が訪れる」と言う安易な神話に警鐘を鳴らすように、多くのノーベル賞受賞者が、ラッセル・アインシュタイン宣言に署名しています。物理学者が平和を希求する姿は、本当に感動しました。

  • trazom

    日本の原爆開発は、陸軍のニ号研究(理研の仁科博士)と海軍のF研究(京都帝大)。本書は、実験の荒勝文策博士と理論の湯川秀樹博士がタッグを組むF研究の物語。「学は人と自然との相互なる内省。学は自然を通じて人を愛する道」と説く荒勝先生も、戦後の核廃絶運動に命を捧げた湯川先生も、ともに人格者。そんな湯川先生でも、日記に「既存の科学技術の成果をできるだけ早く、戦力の増強に活用することが科学者の責務」と書くような時代の怖ろしさを思うとともに、戦後、「原罪」から目を逸らさず科学者の良心を貫いたお二人の姿に救いを感じる。

  • kaoru

    日本の核物理学者による戦時下の原爆開発を描いた一冊。湯川秀樹教授も「原子核理論担当」として参加した「F研究」を主導した荒勝文策京大教授は、原子兵器の可能性には懐疑的ながら戦時下でも海軍のサポートで原子核の基礎研究を続けたいと願っていた。だが広島・長崎への原爆投下に続く日本の敗戦で優秀な指導者だった荒勝が心血を注いだサイクロトロンと25冊の実験ノートは米軍に破壊・破棄されてしまう。戦後ノーベル物理学賞を受賞した湯川教授は核兵器廃絶運動に従事。「基礎科学者が人類の幸福のために科学をやっているんだと言っている→

  • Aby

    基礎研究だけをしていたかったのに,核兵器開発に巻き込まれてしまった.戦後は,研究装置は破壊され,それまで蓄積してきた研究ノートを全て持ち去られ,研究者としてのキャリアは断たれてしまった.研究成果の軍事転用は,研究者の倫理感が試される.日本学術会議の任命拒否問題にまで直結している.◆人文科学,社会科学でも,無関係ではいられない.

  • てっちゃん

    日本の核物理学者は、どこまで原爆開発に関与したのかを、丁寧に取材した良著。学術会議の任命拒否に繋がる、学者の倫理の問題を考えさせられる。

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