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アレグリアとは仕事はできない ちくま文庫

Kikuko Tsumura

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480430755
ISBN 10 : 448043075X
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2013
Japan

Content Description

「おまえなあ、いいかげんにしろよ!」と叫びたくなるほどの性悪女、アレグリア。男に媚ばかり売って、すぐ疲れたと言っては休み、ふて腐れて動かなくなる。ミノベの怒りはとどまるところを知らないのだが、まわりの反応はいまひとつ。コピー機に文句を言ってもねえ、と先輩は言うが…。表題作に、地下鉄で繰り広げられる心理戦を描く「地下鉄の叙事詩」を併録。

【著者紹介】
津村記久子 : 1978年大阪生まれ。2005年「マンイーター」で太宰治賞を受賞し、同年『君は永遠にそいつらより若い』(同作品を改題)でデビューする。『ミュージック・ブレス・ユー!!』で野間文芸新人賞を、『ポトスライムの舟』で芥川賞を、『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞を、「給水塔と亀」(「文学界」2012年3月号)で川端康成文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 修一朗

    複合機に殺意さえ持ってしまうミノベに,うんうんそんな機械殴り壊してしまえと思わず共感してしまう,そんなお仕事あるかる感のディテールは津村さんの真骨頂だね―。ちなみにオレはDVDレコーダーに録画したデータを端末に飛ばすアプリが大嫌いだ。こっちの焦りを見透かして途中で止まったり,突然落ちたりで毎日翻弄されっぱなし。思わずiPad画面をひっぱたいちまうのだ。生きづらい思いを抱えながら仕事をしている人は大変だろうけど,その中でやれることをコツコツとやって生きていくんだよ,といつもの応援メッセージ,やっぱいいです…

  • kana

    《「何分休むんだよ!(略)死ね!働かないやつは死ね!」アレグリアはうんともすんとも答えなかった。》《こいつにどうにかして思い知らせてやりたい、と考える。人ならば可能だ。人ならば。》冒頭から笑った。噂の性悪複合機、アレグリアの話を遂に読む。複合機をよく使う人の多くは、そのままならなさ具合に1度くらいは殺意を抱いたことがあるのではないでしょうか。複合機に翻弄される人々は滑稽でありながら、労働者の悲哀を感じさせます。著者はいつも現代の弱い立場の労働者に巧みに光を当てますが、本作が一番お気に入りになりました。

  • さと

    アレグリアとミノベの攻防を同じオフィスで見ているような…ただ見続けている自分に苛々してしまった。「でさ、どうしたいのよ」「他にすることないわけ?」って一言が漏れそうになり それを口にする類の作品ではないのか、「うんうんあるある」と倣わないといけないのか・・・。楽しむというより 自分がい次元にいる違和感を味わうばかりだった。

  • コットン

    「おまえなあ、いいかげんにしろよ!」「何分休むんだよ!後輩ならロッカーで殴ってるぞ…」と素晴らしい剣幕の道具や機械が好きな女子社員『ミノベ』さんVS. A3からA1まで対応のプリンタ、スキャナー、コピーの複合機『アレグリア』との物語。高機能なスキャナーはスムーズで男性社員の歓心を買うが単純コピーでは「ウォームアップ中です。」と言い、休みながらの仕事。はては取説にないエラーコードを表示と…。2者の攻防の結末はいかに?!

  • NADIA

    『アレグリアとは仕事ができない』『地下鉄の叙事詩』の二編の中編。アレグリアとは可愛さ重視の女性契約社員かと思いきや、まさかの大判複合機。事務仕事をしている人には「あるある」なムカつく事例が多く、疲れながらも面白い。もう1編は通勤ラッシュの満員の地下鉄に乗り合わせた4人のそれぞれの視点から語られる事件。これもリアリティに溢れて、容易にその人物に同化できる。脳内で満員電車乗車。やっぱり疲れる(笑) 津村さんの作風は、妙な視点からの日常が淡々と語られ、媚びたところがなくある種の爽快感があり癖になる。

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