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世界一わかりやすい 「医療政策」の教科書

津川友介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784260025539
ISBN 10 : 4260025538
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

セオリーとエビデンスを備えた医療政策をデザインするために
高齢化社会を迎えた現在、セオリー(学問的な理論)とエビデンスの両方を兼ね備えた“綿密にデザインされた医療政策”がわが国には必要不可欠となっている。本書はハーバード大学の博士課程で学んだ著者が、医療政策・医療経済学に関するセオリーとエビデンスのうち、普遍性があり、日本の医療にも適用できるものを中心に紹介するもの。通読が容易な読みやすい記述で、医療政策学および医療経済学が一通りよく分かる。


推薦のことば

ジョセフ・ニューハウス
(ハーバード大学教授,ランド医療保険実験の研究代表者)

“This textbook explains the key topics related to health
policy in an easy-to-understand way,
and should be seen as an ideal introduction-level
textbook for Japanese people
who are interested in studying health policy.”

「この本は医療政策を理解する上で重要なトピックを,
平易な言葉で丁寧に分かりやすく説明した一冊であり,
医療政策を学ぶ日本人にとって理想的な入門書である」



目 次
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はじめに

1章 医療経済学
 1 医療経済学の4つの起源
 2 ミクロ経済学の基本
 3 なぜ医療に市場原理が通用しないのか?
 4 モラルハザード
 5 逆選択とリスク選択
 6 医療サービスに市場原理が通用しない理由
 7 医療費は水準よりも増加率が重要である
 8 国の医療費増加の一番の原因は医療技術の進歩
 9 医療保険のしくみ
 10 医療保険を用いた世界初のランダム化比較試験「ランド医療保険実験」
 11 無保険者に対する医療保険の影響を評価したランダム化
      比較試験「オレゴン医療保険実験」
 12 医療サービスの価値によって自己負担割合が変わる医療保険
      「価値に基づく医療保険(VBID)」
 13 医師誘発需要
 14 プリンシパル・エージェント・モデル
 15 医療財源と医療機関への支払い制度
 16 製薬産業
 17 医師不足問題の考えかた

2章 統計学
 1 医療政策と統計学
 2 まずは研究の目的をはっきりさせよう
 3 因果推論の3つの学派
 4 実験と疑似実験
 5 回帰分析(線形回帰分析)
 6 より高度な回帰分析

3章 政治学
 1 医療政策と政治学
 2 キングドンのアジェンダ設定と政策の窓
 3 経路依存性─過去の歴史が将来を決める

4章 決断科学(費用効果分析)
 1 医療政策と決断科学(費用効果分析)
 2 費用対効果分析の基本的な考えかた
 3 費用対効果分析の注意点
 4 オレゴン州の「優先順位リスト」から学べること
 5 予防医療だからといって医療費抑制につながるとは限らない

5章 医療経営学(医療の質)
 1 医療の質と医療費は「車の両輪」
 2 QIを用いて医療の質を測り,改善を目指す
 3 医療におけるP4Pのエビデンスは弱い

6章 医療倫理学
 1 医療政策と医療倫理学
 2 ロールズの正義論
 3 健康の格差はどうして問題なのか?
 4 健康の自己責任論
 5 限りある資源をどのように分配したらよいのか?
 6 医師の頭脳流出

7章 医療社会学
 1 社会の格差は,健康に悪影響を与える
 2 「格差」と「貧困」のどちらが健康に悪いのか?

8章 オバマケアからトランプケアへ──アメリカの医療制度の現状
 1 オバマケアとはどんな政策だったのか?
 2 オバマケアの制度設計
 3 オバマケアへの評価
 4 オバマケアからトランプケアへ

あとがき

索引

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Comprehensive Evaluation

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kitten

    図書館本。医療保険や保険給付に関する話。「世界一わかりやすい」とあるが、他に医療政策の教科書がないだけではないのか?つまり、難解。特に、統計のところがキツかった。医療政策もエビデンスが必要であり、PDCAサイクルを回す必要があるのだが、日本ではうまく回っているように見えないな。P4P(Pay for Paformance、業績に応じた支払い)も、まだまだうまく機能していない。日本では、国もそうだけれども、現場がかなりコチコチで変化を嫌うので、なかなか難しそうだ。

  • バーニング

    ページ的には分厚くはないがこの中身の濃さは素晴らしい。アメリカでの研究結果を中心に紹介しているのであくまでアメリカという留保は必要だが、その留保の上で読み進めるとアメリカのアカデミックがいかに医療という営みをあらゆる角度で研究し、そして現実の医療政策に生かそうとしているかがよくわかる。あとがきにも書かれているが、日本に欠けている重大な要素はここである。素晴らしい医療制度を持っていたとしても、EBPMによるアップデートや社会における共通理解の促進が進展させなければ、これからの時代を生きていくのは難しい。

  • hurosinki

    医療政策に関する色んなトピックを短くまとめた教科書。医療経済・統計についての分量が多く、政治学については最低限。基本的に紹介されるのは米国の事例で、日本の事例はあんまり無い。政策がエビデンスに基づき立案、修正されるべきだと要所要所で強調し、その例として最後の章でオバマケアを挙げる。医療経済学の知見を踏まえ、加入義務を設けて被保険者の逆選択を抑制し、リスクに応じて保険プラン間で再分配することで保険者のリスク選択を抑制した(なお加入義務は前大統領によって骨抜きになった)。

  • すーたん

    医療政策学の入門書として、どのように施策が打たれ、改善されていくかが書かれている。 各学問の観点からの視点が面白い。 また、どのような点が論点となっているかもわかる。

  • yurari

    データ豊富で確かに分かりやすい。知らなかった事:●医師誘発需要(PID)→患者・医師間の医学知識に対する情報の非対称性を利用した医師の裁量的行動によって誘発される、医療サービスの過剰な需要。日本でもMRIの撮影実績からPIDが存在している事が示唆される。●米国では医師の監督下で医療行為を行う専門職、ナースプラクティショナー(日本語では診療看護師と訳す)、フィジシャンアシスタントの養成が進んでいる。医師よりも人件費が安く医療費が抑えられる。日本でも権限以上が進むと業務の効率化を図れる。

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