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11枚のとらんぷ 新装版 創元推理文庫

泡坂妻夫

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488402297
ISBN 10 : 4488402291
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2023
Japan

Content Description

奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。しかも死体の周囲には、奇術小説集「11枚のとらんぷ」で使われている小道具が、毀されて散乱していた。この本の著者鹿川は、自著を手掛かりにして真相を追うが…。奇術師としても高名な著者が華麗なる手捌きのトリックで観客=読者を魅了する、泡坂ミステリの長編第1弾!

【著者紹介】
泡坂妻夫 : 1933年東京生まれ。奇術師として69年に石田天海賞を受賞。75年「DL2号機事件」で幻影城新人賞佳作入選。78年『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞、88年『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞、90年『蔭桔梗』で第103回直木賞を受賞。2009年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • カノコ

    奇術ショウの最中に姿を消した女性が、自室で他殺死体で見つかる。現場には、奇術小説「11枚のとらんぷ」に登場する小道具が散乱していた。作中作にかなりの紙幅を割かれているが、これが面白い。奇術クラブの面々の人となりが分かるだけではなく、短い話の中にしっかりオチが利いていて流石の手腕。しかし何と言っても解決パートが凄い。事件とは関係のない描写が多いと感じさせておいてからの(しかし退屈ではない)、怒涛の伏線回収。プロ奇術師でもあった著者の強みが存分に発揮されたデビュー作。人を騙すことに長けすぎている。名作。

  • だるま

    殆ど図書館本を利用だが、これは購入、再読。国内ミステリでは私の生涯のベスト5に入る大傑作。装丁と解説が変わっただけで小説自体は以前のままだけど、このシンプルな表紙はとても合っていると思う。内容は素人マジシャングループの公演中に起こった殺人事件。その顛末が第1部と第3部で描かれ、間の第2部は奇術に関連したショートショートミステリ。このショートショートだけでも非常に面白いのだが、何故中間に入れたかの意味が分かった時には愕然とした。泡坂マジックに完全にヤラれた。これ以上、伏線の出し方の見事な作品を私は知らない。

  • ひろ

    著者の長編デビュー作であり、マジシャンのバックボーンが存分に盛り込まれている。相手を欺くミスリーディングなど、ミステリとマジックの共通点は多いとは思っていたが、本作では高い次元で融合している。物語全体の構成も楽しく、1部では主要人物たちのマジックショーが描かれる。ハプニングを交えつつの状況は文章だけでも楽しい。事件が発生し、関連する作中作が2部に置かれる。全11編でマジックのタネを紹介するのだが、ここ単体でもとても面白い。3部で至るところに隠されていた伏線が回収される。解決パートの畳みかけには圧倒された。

  • 有理数

    奇術と本格推理の見事な融合。奇術ショーの最中に起こった殺人事件と、作中作『11枚のとらんぷ』が絡み合い、鮮やかな推理で真相を手繰り寄せる。正直、作中作は、最後に綺麗に推理と結びつくとはいえ冗長に感じ、奇術そのものもビジュアルでイメージしづらく、また登場人物が覚えづらい、といった点で読むのに少し苦労したが、第V部の華麗な推理はとにかく満足度が高い。特に何の疑問も抱かなかったものに、別の角度で光が当たると、急激に面持ちを変え、点が線となる。本格推理の醍醐味。面白かった。

  • yuui

    なるほど!伏線回収が面白いマジックのミステリでした🃏あの短編いるんかなと思ったけどしっかりと入りましたね😚 1部2部3部と何もかもが上手で綺麗でした📚 ミステリって面白いなと改めて思わせてくれる本でした🤗

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