雪密室 講談社文庫

法月綸太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061851115
ISBN 10 : 406185111X
フォーマット
出版社
発行年月
1992年03月
日本
追加情報
:
15cm,279p

ユーザーレビュー

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山荘の離れのコテージで女性が殺される。コ...

投稿日:2021/04/16 (金)

山荘の離れのコテージで女性が殺される。コテージは施錠されており、おりからの雪に残されていたのは発見者の足跡のみ。どうみても自殺にしか見えないが、ある証言から自殺の可能性が消える…。 最初に読んだのは、30年ぐらい前。その後、もう一度読んで、今回で3回目。犯人もトリックも記憶に残っていないので、すごいトリック、すごく意外な犯人というわけでもないだろうと思って読み始めたが、予想通りだった。ただ、コテージがかなり離れていることに、かなり引っかかった。 しかし面白くないというわけではない。 まず、エラリー・クイーンを徹底して意識した作家で探偵の法月綸太郎と父親の法月貞雄警視とのコンビによる第一作であること。綸太郎の母の死やその係累なども明かされ、父子の微妙な距離感が理解できる。また、綸太郎が後に別の事件で関わる人物も登場しているので、再読するとそこら辺りも面白い。思想や哲学への著者の興味も作中人物を通じてだが垣間見える。 巻末にある三橋暁による解説には、著者を含む新本格派が登場したころのバッシングに触れられている。しかし、新本格を一括りにした論議がいかにバカげたものだったのかは、著者のその後の歩みを見れば分かることだ。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 夢追人009 さん

    法月綸太郎さんの第2作は海外の名探偵エラリー・クイーンに倣って著者名が同じで作家探偵・父親が警察官という全く同じ形式のシリーズ第1作ですね。この作品はデビュー作と作風がガラリと変わっていまして同じ作家とは思えない程ですが、強いて共通点を上げればトリックの完成度が高く全く危なげのない完璧主義者の職人的な所と、初期のさだまさしさんもそうなのですが題名を漢字のみで統一する意図を感じましたね。またJ・D・カーの「白い僧院の殺人」の雪の足跡トリックへの挑戦とクイーンの十八番「読者への挑戦」もあって素晴らしいですね。

  • 🐾Yoko Omoto🐾 さん

    再読。「本格ミステリ」の王道をいく非常にオーソドックスな構成。斬新さはなくとも奇をてらわない端正なロジックはストレートな本格志向の高さが窺え、「読者への挑戦」を絡めた良質のフーダニット作品として美しく成立している。密室についても目を見張るトリックではなくとも「その手があるか」と思わされる納得の出来。ただ法月警視相手のある危うい仕掛けと冒頭のベタさにはやや不満が残った。とは言え、まだ悩んでいない綸太郎(笑)や父との名コンビぶり、果ては二人の親子関係についての意味深な記述などシリーズとしての読みどころが多い。

  • Tetchy さん

    探偵法月綸太郎初登場だけど、意外にオーソドックス。もう少し捻りが欲しかった。

  • ダイ@2019.11.2〜一時休止 さん

    法月綸太郎その1。EQを意識した?作者名と同一の探偵が活躍する。王道の展開がイイ。

  • HANA さん

    題名からわかるように、雪で封じられた密室を題材にしたミステリ。基本的なトリックがそれ一本のため、長編にすると何となく喰い足りなさを感じるなあ。それぞれの登場人物に深みを与える前に事件が起きた為一人一人の印象が薄く、唐突に事件の最中に巻き込まれ何となく表面を撫でているような感じがするし。デビュー作よりはましだけど、まだ後年の著者に比べると若書きという感じがする。肝心のトリックだけどこちらはわからなかったなあ。この手の密室に多いタイプではなく、読者の盲点を突くタイプで面白かったけど不確実性要素が多い気もする。

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人物・団体紹介

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法月綸太郎

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。在学中は京大推理小説研究会に所属。88年『密閉教室』でデビュー。2002年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門、05年『生首に聞いてみろ』で第5回本格ミステリ大賞小説部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの

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