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1980年、女たちは「自分」を語りはじめた フェミニストカウンセリングが拓いた道

河野貴代美

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784344040830
ISBN 10 : 434404083X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

母、妻としての役割しか求められない女性たちの心理的虚しさは、贅沢な悩みとして取りあってもらえず、夫からの暴力は夫婦間の問題として軽く扱われていた。セクハラという言葉はなく、痴漢は女性に隙があったと責任を転嫁された。1980年とはそんな時代だ。フェミニストカウンセリングは、「苦しいのは、あなたが悪いのではない」と女性たちに「語り」を促し、社会の変化を後押ししてきた。女性たちが語り、聞いてもらえるカウンセリング・ルームをはじめて作った創始者によるエンパワーメントの歴史。

目次 : 序章 発見された「女たちのうめき」―フェミニストセラピィ前史/ 第1章 女性解放の視点での心理療法―フェミニストセラピィの発祥/ 第2章 自分の言葉を見つけていく―米国におけるフェミニストセラピィの発展と変化/ 第3章 語り、聞いてもらうことへの日本女性の飢え―日本へのフェミニストカウンセリングの導入/ 第4章 役割を離れた「自分」を模索する―日本で始まったフェミニストカウンセリングの歴史/ 第5章 「可能性」を広げる―フェミニストカウンセリングの発展/ 第6章 暴力、ハラスメントに立ち向かう―フェミニストカウンセリングのメインになる仕事内容/ 第7章 心理的困窮を「病気」と考えない―日本におけるフェミニストカウンセリングの特徴/ 第8章 森瑶子の母娘問題他―フェミニストカウンセリングの事例/ 終章 女たちは自分の人生を生き、語れるようになったか?―今後の課題/ 対談 河野貴代美×上野千鶴子「フェミニストカウンセリングは何をしたか?何をできなかったか?」

【著者紹介】
河野貴代美 : 1939年生まれ。シモンズ大学社会事業大学院修了(MS)、元お茶の水女子大学教授。専門はフェミニストカウンセリング、臨床心理学、フェミニズム理論、社会福祉。日本にフェミニストカウンセリングの理論と実践を初めて紹介し、各地におけるカウンセリング・ルームの開設を援助。のちに、学会設立や学会での資格認定に貢献(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ネギっ子gen

    【個を問うフェミニズム】とよぽんさんに教えられ――。フェミニズムの視点から女性のエンパワーメントを援助するフェミニストカウンセリングの理論と実践を紹介する書。上野千鶴子との対談。資料の「『フェミニストカウンセリングのアセスメントシート』作成の試み」「女性センターにおける相談業務ガイドライン(試案)」。著者は、<生き方に悩んだり、戸惑ったり、行く道を探している若い女性には多様な生き方があるから、それぞれあなたの信じた道をお行きなさい、と言ってあげたい。間違ったら引き返してくればいい。人生は長いのです>と。⇒

  • とよぽん

    再読。著者の河野貴代美さんと上野千鶴子さんとの対談は、緊張感がありながら互いにリスペクトを抱く者同士のやり取りが建設的な内容だったと思う。河野さんはこれまでのフェミニストカウンセリングを振り返るスタンスだったのに対して、上野さんはフェミニストカウンセリングの歩みと日本社会への関わりを取り上げて、そのちょと内向きの体質を惜しいとして、これからの改革を期待していらっしゃった。フェミニストのパイオニアが、臨床と社会学の異なる立ち位置で対談した貴重な記録を読んだと、私は受け取った。

  • とよぽん

    河野貴代美さんの研究と実践の集大成、と言ってよい著書だと思う。ご自身も、これだけの内容をまとめることは、もう最後になるだろうと書いていらっしゃる。だから、フェミニストと社会的背景、歴史などについて心して読まなければならないと思った。カウンセリングの専門的なことはよく分からないが、女性の生きづらさや苦悩に寄り添うこと、エンパワーメントすることは今後も大切だと思う。要再読。

  • てくてく

    フェミニストカウンセリングを日本に導入した河野貴代美さんの自伝風な一冊。概説書みたいなものを志向した本ではないため読みづらいところはあったが、河野さんの考えてきたことを知る上では読むべき一冊だと思った。上野千鶴子氏との対談で、河野さんが心理学というよりもソーシャルワークからこの問題に関わったことを語っていて、あ、だからそうなのだと思うところがあった。

  • ひだり

    フェミニストカウンセリング、女性をジェンダーから解放してエンパワーメントするカウンセリングだと捉えましたが、それを日本で展開した河野貴代美さんの著書。少し読みにくかった。私も興味を持ち学会のHPを見たけど、盛り下がってる?最後の上野千鶴子さんとの対談で上野さんが「アカデミックな論を打ち立てて後継者を育成しようと思わなかったのか。資格化は賛成したが失敗している、もっと食える仕事にするための裾野を広げなければ」と厳しく指摘していたが、その点は同じく残念に思う。

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