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落日の豊臣政権 秀吉の憂鬱、不穏な京都 中世史

河内将芳

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784642058186
ISBN 10 : 4642058184
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦国乱世を終結させ、豊臣政権が誕生するも、京都では政情不安による不穏な事件が噴出した。人びとの期待を背負った秀吉の治世とはいかなるものだったのか。政権全盛期の文禄年間の京都に光をあて、社会の実相を描く。

目次 : 秀吉政権崩壊の序曲と京都―プロローグ/ 不均衡な経済政策/ 不穏な京の町/ 影を落とす後継者問題/ 天変地異と政権の動揺/ 京都の人びとがみつめた秀吉の時代―エピローグ

【著者紹介】
河内将芳 : 1963年、大阪市に生まれる。1987年、京都府立大学文学部文学科卒業。1999年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、奈良大学文学部史学科教授、博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    大坂城や聚楽第の建設、金配りに黄金茶室など豪華絢爛たるイメージの強い桃山時代だが、乱世を終結させたはずが朝鮮出兵に突き進む一方で地震など天変地異が続発し、人心不安が広がる暗い側面もあった。軍人あがりの独裁者だった秀吉は大名を統制する体制や法律を全くつくらず、後継が不安定になると知りながら秀頼かわいさのあまり秀次事件を引き起こすなど、秀吉に天下統一後の政権構想が何もない実態を京都人は見抜いていた。己の欲望を満たすことだけに狂奔する秀吉を描いた山田風太郎の『妖説太閤記』が、当時の実像に近かったのではと思える。

  • ようはん

    末端の武士が辻斬りや盗賊に身をやつす治安の悪さに文禄大地震のような天変地異、そして朝鮮出兵に秀次事件と文禄年間の豊臣政権と京都近辺の暗部が紹介されており、読んでて当時のギスギスとした嫌な空気を感じた。

  • 絢爛豪華な桃山時代の別の一面を知れて興味深かった。髪の毛や砂が降る怪異があったことを火山(浅間山)が原因だったかも知れないと書いてるのもおもしろい。ハワイのキラウエア火山の近くでは「女神の髪」って呼ばれるガラス繊維状の堆積物が取れるけど、日本でも同じようなことが起きてたのかもしれない。もっとも、秀次の妻子が処刑されたあとに、女性の髪の毛にも見える何がが空から降ってきて震え上がっただろう当時の人に同情する。

  • 浅香山三郎

    文禄年間の京都、豊臣政権、世相を題材に、「みろくの世」と称された時代の実態を描く。 秀吉の行状のある種の狂気、そらから毛髪状のものが降り、地震まで起こる無気味さ。 様々な学術研究の成果を引用しながら、一つの時代相を提示してゐる著者の視野の広さもよく、参考文献で読んでみたいと思ふものも幾つかあつた。

  • getsuki

    天下統一後の絢爛豪華な秀吉の世。その裏で天変地異や辻斬り、強盗など暗い一面も存在したことを史料から読み解く一冊。果たして秀吉は平和な世を維持するための明確なビジョンを持っていたのだろうか、と考えさせられた。

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