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「悪所」の民俗誌 色町・芝居町のトポロジー ちくま文庫

沖浦和光

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480438867
ISBN 10 : 4480438866
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2023
Japan

Content Description

「“悪”という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賤視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。

目次 : 第1章 わが人生の三つの磁場/ 第2章 「悪所」は「盛り場」の源流/ 第3章 遊女に潜む霊妙なパワー/ 第4章 「制外者」と呼ばれた遊女と役者/ 第5章 特異な都市空間としての「悪所」/ 第6章 “悪”の美学と「色道」ルネサンス/ 第7章 文明開化と芸能興行/ あとがき/ 解説 身体・声・音により表現される文化と社会、国家、制度(松尾恒一)

【著者紹介】
沖浦和光 : 1927‐2015年。大阪府生まれ。東京大学文学部卒業。桃山学院大学名誉教授。民俗学、比較文化論、社会思想史専攻。被差別民と被差別部落の研究をおこなった。国内外の辺境、都市、島嶼を歩き、日本文化の深層をさぐる研究をつづけた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    芝居小屋や色町といった非日常を感じさせる空間「悪所」。本書は遊女や歌舞伎の変遷、そして彼らが生きる芝居小屋や吉原といった場所の成り立ち等、主に歴史からそれら「悪所」にアプローチした一冊となっている。個人的に面白かったのは江戸と吉原芝居小屋等の悪所の関係を論じた都市論としての部分。そして明治を生きた文人たちにそれがどう映っていた部分かな。それにしても色町にしろ芝居小屋にしろそこに生きる人々の苦については言うまでもない事ながら、我々外部の眼にはどこか背徳の浪漫を感じてしまうなあ。事の是非は兎も角として。

  • fwhd8325

    現代へと続く民族の歴史。素晴らしい内容だと思いました。特に後半の永井荷風の章が素晴らしいと思いました。芸能についても、小沢昭一さんや永六輔さんの書で読んだ内容でもあるけれど、今、この時代に読むことで芸能を再考することになるものと思います。こうした歴史があって芸能があることを今芸能界で活躍されている若い方々はご存知なのだろうか。歴史は決して裏切らないのだ。

  • Shoji

    一言で言えば、女子の被差別の歴史です。性交により国造りをしたイザナキ・イザナミの神話の御代、種を残す動物の本能への言及に始まり、話題は飛田や吉原へと多岐に渡ります。興味深いのは、ユネスコ無形文化遺産の歌舞伎も賤民がルーツだとか。民俗学的アプローチで述べており、説得性がありました。

  • 大先生

    【悪所…今日では猥雑で背徳的な「場(トポス)」という意味で通用しているが、かつては色町と芝居町がセットになって「悪所」と呼ばれていた。遊女と役者は「制外者(にんがいもの)」と呼ばれ悪所に隔離されたが、そこが江戸の文化発信源となった。悪という言葉には日常性を破壊するデモーニッシュな力・呪力が潜んでいた】遊女が「賤」の部類とされるようになったのは室町期で、特に平安期は聖性を宿しているとみられており、天皇や皇族も遊女と交遊し相枕したと。特に後白河院や後鳥羽院。今話題の蔦屋重三郎も吉原育ちということで登場します。

  • わ!

    沖浦さんのサンカ関連以外の本を初めて読んだ気がします。評価出来るほどサンカ関連の本を読んでいるわけではありませんが、私は、この本の様な、サンカ関連以外の本の方が面白かったと思えました。まさしく差別の歴史であり、それを綺麗事で包み隠してしまわずに、しかしそこから生まれる強烈な文化がとてもうまく描きだされています。いつの時代も、後世に続いてゆく様な強い表現方法は、善と悪、浄と穢、規律と猥雑の境界のような世界から創造されていることが多いのだと思いました。そんな場の叫びを表すからこそ、観ていて胸を打つのでしょう。

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