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カフカの生涯

池内紀

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560721162
ISBN 10 : 4560721165
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2010
Japan

Content Description

カフカ個人訳全集の訳者が、20世紀文学の開拓者の生涯を描いた評伝。祖父の代にはじまり、幼年時代、友人関係、婚約者、役人生活、そして創作の秘密にふれ、カフカの全貌があきらかになる。

【著者紹介】
池内紀 : 1940年兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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その不思議な作品からどんな作者なのだろう...

投稿日:2012/12/30 (日)

その不思議な作品からどんな作者なのだろうと思わせるカフカ。祖父の代から遡り、小説家以外の面にも光を当てています。少し値段が張りますが、とてもいい本です。

はえとりぐさ さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 市太郎

    カフカの誕生日に。彼の生涯を歴史の流れとともに語る。やはり変わった男だったようだ。歴史は第一次大戦を経てやがてホロコーストへと至るユダヤ人にとって厳しい時代。しかしこの男はそんな時代の流れとは無関心に自分の執筆に情熱を注ぐ。女性に何百通も手紙を送っておきながらいざ会うとなったらもじもじして引き延ばすとかその人柄にも笑ってしまう。本人はいたって真面目なのだろうが。家族や周囲の人がその後、強制収容所で多く命を落とした事を考えるとその前に息を引き取ったのは幸せだったと言えるのだろうか。彼の風変わりな小説に乾杯。

  • harass

    題名の通りの評伝。書き方が小説のようで読みだして面食らったがじきに慣れた。時代と地域と民族の複雑さが詳しく解説してあり、聞きかじったこの作家の環境などについて整理できた。カフカの生活などについてがある。あまり有能では無かったようだ…… チェコのユーモア作家ハシェクと同時代で同じ街に住んでいたことをはじめて知った。カフカのファンであればぜひ。個人的にこの訳者がまだ存命であることに驚く。

  • ころこ

    何でもないことにこだわり、周囲の人間との意見の相違から孤独を選ぶ。その性格では社会生活において困難が待ち受けているが、そのこだわり続ける人間を描くことでカフカは独自の世界を突き詰め、後世に名が残った。後の複雑化した世界では、誰もが時と場合によって排除される経験を持ち、それを作品と重ねて読む。『変身』で家族から疎外されたように、カフカ自身も家族と上手くいかなかった。父とは険悪だし、事業を興した親戚ともしっくりいかない。批判するように書いた自己目的化した官僚制度に溶け込むことが、彼がみつけた生存戦略だった。

  • こうすけ

    素晴しかったし泣けた。もはや文学的記号のような存在となったカフカ。その生涯を精密に検証していく。アマゾンのレビューで、著者の主観的推測ばかり!と怒っている人がいたが、周辺の歴史的事実から導かれるその推測の精度は高く、その点こそが本書の魅力。最期の手紙について、カフカらしい意味深い中断、と形容するのはしびれた。ナチスによって、多くの一次資料、証言者が喪われたことは許しがたく、今日のカフカ研究もその怒りが原動力になっている気がする。強いていえば、なぜカフカが文学の道に進んだのかがわからないのが消化不良だった。

  • 風に吹かれて

     1900年前後の時代がどのような時代であったのか、その中でユダヤ人がどのような生活を送ってきたのか、移りゆく時代の中で親子の意識の違いが生まれていたことなど、カフカが生きた時代のことがわかりやすく書かれている。そして、カフカの作品や日記、手紙などを読み込んだ著者が描いたカフカの心。ふたつの柱、つまりはカフカの「外」と「内」を描き、カフカという一人の人間を浮き彫りにした作品である。  カフカは、ある意味、不思議な作品を描いた人だと思うが、時代とその人の成りを知ると、作品理解も深まっていくように思う。 →

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