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十五年戦争小史 ちくま学芸文庫

江口圭一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480510068
ISBN 10 : 4480510060
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦争は、誰によっておこされ、どのように展開したか―。本書では、1931年の柳条湖事件の謀略に始まり、45年ポツダム宣言受諾と降伏文書調印によって終わった一連の戦争を「十五年戦争」と呼び、その曲折に満ちた過程と全体像を克明に描く。アジア覇権主義を掲げる日本軍部と対米英協調路線の宮中グループとのせめぎ合い、マスコミの報道によって国内で急速に高まる排外主義、アジア太平洋戦争へと向かう御前会議のありよう…。満州事変、華北分離、日中戦争、アジア太平洋戦争で構成される各部には年表、関係地図を付し、制度や組織の変遷、人事の系統図なども適宜配した。長年読み継がれてきた画期的通史。

目次 : 1 満州事変(大日本帝国/ 十五年戦争の発端/ 戦線の拡大/ 上海事変と満州国/ 排外主義と軍国主義/ 国際連盟脱退と熱河・河北省侵攻)/ 2 華北分離(非常時/ 満州帝国/ 華北分離工作/ 準戦時体制)/ 3 日中戦争(日中戦争の全面化/ 日中戦争の行き詰り/ 東亜新秩序と第二次世界大戦/ 日独伊三国連盟/ 日米交渉/ 対米英蘭戦の決定)/ 4 アジア太平洋戦争(開戦と緒戦の勝利/ 連合国軍の反攻/ 大東亜共栄圏/ 中国・満州・朝鮮・台湾/ 日本ファシズム/ 戦線の崩壊/ ポツダム宣言と原爆投下/ 降伏)

【著者紹介】
江口圭一 : 1932‐2003年。名古屋市生まれ。歴史学者。京都大学文学部史学科を卒業ののち、同大学大学院文学研究科にて日本近現代史を専攻。京都大学文学博士。愛知大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 樋口佳之

    第一段階である満州事変は、柳条湖事件の謀略/第二段階である日中戦争は、盧溝橋事件という偶発的衝突/第三段階であるアジア太平洋戦争は…四回の御前会議を積み重ね、昭和天皇以下の宮中・政府・軍部の最高首脳がその意志を一致させ、天皇の…聖断のもとに決行された。聖断によるアジア太平洋戦争の決行は昭和天皇に重大な戦争責任/文庫化に合わせての電子化。ありがたい。/アジア太平洋戦争下に日本本土で餓死した日本国民は一人もなく/著者はここから嫌戦感は広がっても反戦とはならなかったと繋げるのだけどどうなのかな

  • Satoshi

    戦後80年ということで、本書を購入。本作ほど明確に「天皇」と「国民」の戦争責任を明確に記載した歴史本は初めて読んだ。そして、昭和天皇と宮中グループは皇室の安泰のためのエゴイズムにより、戦争に突き進む軍部と民意を無責任にも放置し、太平洋戦争開戦を「聖断」した。御前会議にて日本の将来が決められていたが、憲法に定められた会議体で無かったとは驚きだ。

  • Michael S.

    1986年に刊行され98年時点で24刷と版を重ねた名著の文庫化.著者が講義用として講義回数にあわせて24章,各章原稿用紙16枚部分にまとめ,簡潔でバランスの良い記載になっている.アジア太平洋戦争の敗戦を画期として戦後日本が出発していることを前提とすれば,今リアルタイムで起こる政治・社会的現象を考察するためには,満州事変から敗戦までの政治的経過を正しく認識し参照することは重要だと思う.残念ながら高等学校以下の学校教育でこの時代に関しては量的質的に全く不十分だと思う.多くの若い人に読んで欲しい.超オススメ.

  • Hiroshi

    十五年戦争について整理されていて大変判り易い本。大日本帝国の説明の後で、@満州事変(1931〜)、A華北分離(1933〜)、B日中戦争(1937〜)、Cアジア太平洋戦争(1941〜45)とみていく。大日本帝国は世界第3位の軍事大国である。経済面では脆弱で、戦略的物資の殆どを米・英植民地からの輸入に依存し、貿易も生糸産業が中心と弱く、国際金融も英米依存をしている。軍事的には英米と対抗しながら、経済的には英米に依存するという二面性を持つ矛盾に満ちた帝国主義であった。英米に対する妥協と協調を不可避なものとした。

  • 瓜月(武部伸一)

    加藤陽子先生が「座右に置いてもらいたい本」と激賞する昭和戦争通史。特に満州事変から日中戦争拡大までの流れなど、時系列に沿って再確認。このあたり昭和史を学ぶ際に重要な時期であり、常に認識を補強しなければと思う。本書の白眉は著者江口圭一先生が第1版から第2版の改定で補強した部分、15年戦争3千万人の死者に対し最も責任を負うべき人物は「昭和天皇」だと明らかにした点。明治憲法下で天皇は政治責任を負わないとの論者に対し、江口先生は事実をもって、戦争の開始・拡大の局面で昭和天皇自身が意思決定していた事を明らかにする。

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