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みな、やっとの思いで坂をのぼる 水俣病患者相談のいま

永野三智

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784907239282
ISBN 10 : 4907239289
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2018
Japan

Content Description

目次 : 第1章 「私も水俣病だと、娘には言わないでください」/ 第2章 なぜ患者相談か/ 第3章 差別してきた人たちもまた患者となる/ 第4章 悶え加勢する/ 第5章 「息子に蹴られた背中が痛くて」/ 第6章 “私”が当事者だ/ 「あとがき」にかえて 問われて語り始めるとき/ 附章 水俣病センター相思社の紹介

【著者紹介】
永野三智 : 1983年熊本県水俣市生まれ。2008年一般財団法人水俣病センター相思社職員になり、水俣病患者相談の窓口、水俣茶やりんごの販売を担当。同法人の機関紙『ごんずい』に「患者相談雑感」を連載する。2014年から相思社理事、翌年から常務理事。2017年から水俣病患者連合事務局長を兼任。『みな、やっとの思いで坂をのぼる―水俣病患者相談のいま』は初の単著(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みねたか@

    石牟礼作品で水俣病を知ったつもりだった。しかし読友さんの導きで接した本書の衝撃は凄まじい。「やっとの思い」は身体の苦痛ではなく長きにわたる葛藤。「自分は水俣病ではないか?」と考え受け入れること自体が、こんなにも苦しく、誰にも語り得ないことだとは。そして、現在においても、水銀に心身を蝕まれ、ついに日常を奪われていく人々が後を絶たないという現実。「水俣病は決して教科書に書かれた歴史ではない。一人一人の患者のなかに,そして水俣病を知った私たちに,それぞれの水俣病がある。」という著者の思いが全編から伝わってくる。

  • チェアー

    衝撃だった。わたしは水俣病のことはなんにも分かっていない。解決に向かっているのだと勝手に思い込んでいた。だが、差別は続き、病は続いている。水俣病と口にするのも覚悟がいるのだと知った。苦しみは世代や立場を超えて続いている。「ミナマタ」と無自覚に言葉を使うとき、複雑な思いを抱く人たちのことを想像していなかった。もっと水俣について知りたい、声を聞きたい。いや、聞かないといけない。

  • だろうぇい

    水俣病相談窓口にようやく辿りついた人々の口からあふれ出す言葉には限りがない。ずっと続く原因不明の体の不調のこと、一家で集落に差別された記憶、流産した子ども、門前払いされた認定…。今ようやく語られる話も、家族の陰で今もなかなか語られない話もある。そのあらゆる話を永野さんは何度でも聴き続ける。柔らかい語り口とともに、私の生活と地続きにこの複雑な苦痛と葛藤があることが沁みこんでくる。次々と新しい問題が叫ばれ忘れられていくなか、こうして聴かれることでやっと届く「いまの水俣病」の声があることについて、改めて考える。

  • まると

    水俣病患者は差別への恐怖など様々な思いがあって、水俣病センター「相思社」へ通じる坂を何十年ものぼることができなかった。日々相談に訪れる、つらい思いをしてきた人たちの声に耳を傾ければ、水俣病はまだまだ終わっていないことは明らかだ。なのにどうして国はこの現実を受け止めず、「最終解決」をしたがるのか。患者さんと誠実に向き合う永野さんの姿勢がとても素敵でした。この方のおかげでどれだけ多くの患者さんが救われているか。この本を読んで、ともに「悶え加勢」する人の輪が全国に広がってほしいと心から願っています。

  • 今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

    患者のお姉さんの動きを真似してしまったがゆえの贖罪というわけではないだろうけど、その出来事があったがゆえに水俣病患者に寄り添い続ける人がいる、というのは患者にとっては僥倖というしかないでしょう。

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