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戦争映画を解読せよ! ナチス、大日本帝国、ヒロシマ・ナガサキ

永田喜嗣

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787274656
ISBN 10 : 4787274651
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan

Content Description

戦争映画は多義的である。戦時にそれは、人間の憎悪と闘争本能と破壊衝動を巧妙に煽り立てる。平時にそれは、国家の和解と共生と反戦を声高に謳い上げる。そして人は、いまわしい暴力や大量殺戮を描くそれらを興奮と高揚のうちに娯楽として消費する。戦争映画とは何なのか。なぜ人は戦争映画を欲し、生み出し、享受し、そして熱狂するのか。

敵対するアメリカと日本の双方が製作した戦意高揚映画、ナチス・ドイツの侵略戦争やホロコーストの惨禍を告発する作品、南京事件や捕虜虐待などの日本軍の蛮行を暴露する抗日映画、広島と長崎への原爆投下やドレスデンへの無差別爆撃など戦勝国の戦争加害を明るみに出す作品など、各国で製作された多様な戦争映画を縦横に読み解く。

善と悪、生と死、軍隊と銃後、戦勝国と敗戦国、支配と被支配、被害者と加害者、殺す者と殺される者……。さまざまな立場や欲望、そして運命がせめぎあう戦争映画の解析を通じて、戦禍に翻弄される人間の姿や戦争と社会の関わりをひもとき、私たちの過去を思索し未来を模索する刺激的な試み。

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Book Meter Reviews

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  • ポルポ・ウィズ・バナナ

    伊丹万作曰く「戦争に至ったのは「誰かに騙されたから」と国民は口々に言うが、実際問題、1人や2人の知恵で全国民を騙せるわけはない。つまり、全国民がお互いを騙し騙されしていたのであり、戦争責任は国民全員にある」とあるがそんなわけない。統帥権というものをご存知か。大西巨人が『神聖喜劇』のなかで説いていたのは伊丹へのアンサーだったんだな。

  • minamimi

    南京虐殺の映画が撮られ出したのが95年からという話。自分が旅した96年に、上海から青島までの鉄道の車内で「南京虐殺についてどう思うのか?」と絡まれた覚えがある。他の乗客の人たちがとりなしてくれて大事には至らなかったのだけど、ちょうど時期的に合致するな〜と思った。 戦争に向かわせる映画が、戦後ほとんどそのまま反戦映画として通用する話は興味深かった。

  • Ronkotahachi

    読了。読み応え有りました。読みやすい文体、豊富な作品数、作品に向き合う姿勢などとても好感を持ちました。ナチスのホロコースト、南京、原爆、空襲など加筆してそれぞれ一冊の本にして欲しいと思います。

  • トシ

    日本だけが戦争で殊更酷いことをしたと思わない。戦争というものがそういうもので、戦争に関わった全ての国で必ず戦争犯罪がある。殺し殺される極限の状況が人をそうされるのである。人を狂気へと向かわせる戦争を無くす為に過去と向き合う必要がある。しかし日本の戦争映画は被害者視点ばかりで加害者視点で描かれたものはない。日本人が加害者として描かれる外国製作の戦争映画も様々な圧力で上演自粛に追い込まれる状況で、日本での加害者視点の戦争映画製作は本当に難しいかも知れないが、それでも作られなければならない。無いのは恥である。

  • トッパ

    戦争映画の成り立ちと受容のされ方について、時系列に沿っての解読を試みた研究書。今の時代、戦争映画と言えば戦争の理不尽さや悲惨さを描くのが当たり前ですが、戦争が起こる直前や最中には戦意高揚のための作品が量産されていたわけで、そのために多くの才能が消費させられていたかと思うと重い気分になってしまいました。とはいえ、戦争反対を訴える作品を観ても、軍艦から爆撃機が飛び立ったりするシーンには心が浮き立ってしまう自分がいるわけで、そうしたアンビバレントさに向き合うことも大切かと感じました。

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