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秘仏の扉

永井紗耶子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784163919317
ISBN 10 : 4163919317
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

フェノロサと岡倉天心によって開かれた、法隆寺・夢殿の扉。秘仏・救世観音像の微笑みに、彼らが見たものとは。近代化と伝統の狭間で揺れる人々の葛藤と矜持を描く傑作歴史小説!

【著者紹介】
永井紗耶子 : 1977年生まれ、神奈川県出身。慶應義塾大学文学部卒業。新聞記者を経て、フリーライターとして雑誌などで活躍。2010年『絡繰り心中』で小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』で20年に新田次郎文学賞を受賞する。23年『木挽町のあだ討ち』で山本周五郎賞、直木賞を受賞。同年『大奥づとめ』で啓文堂書店時代小説文庫大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    永井 紗耶子、4作目です。日本の近代美術の黎明期、秘仏を巡る人間模様、連作短編集の秀作でした。少し気が早いですが、今年のBEST20候補です。私は、大学で美学を少し齧ったレベルですが、古今東西問わず素晴らしいアートには、美が宿ると思います。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163919317

  • 昼寝ねこ

    明治中期、法隆寺夢殿で千年の間秘仏とされた救世観音菩薩の宝物調査に立会った岡倉天心(覚三)、フェノロサ、写真家の小川一眞、文部官僚の九鬼隆一、そして彼らを迎え入れた大僧正の千早定朝。それぞれの役割と苦悩、その後の彼らの数奇な人生に胸が痛む。特に苦難を甘んじて受け入れて法隆寺を守り抜いた千早定朝の生き方が静かで強い。今まで馴染みのなかった時代の物語だが読んで良かった。廃仏毀釈により貴重な仏教遺産が破壊されたり日本の文化遺産が大量に海外流出した時代に、それを守ろうと奮闘した人たちがいたことは記憶に残したい。

  • trazom

    開けば仏罰が下るとされた法隆寺夢殿の扉を開かせ、秘仏・救世観音像と対面する物語。史実が見事に塗り込められた人間ドラマがある。秘仏を初めて撮影した写真家の小川一眞、恩師の福沢諭吉と九鬼隆一の対立、九鬼隆一の妻をめぐる岡倉天心と隆一の関係、開扉を許可し法隆寺を守った千早定朝、フェノロサとビゲローとの微妙な関係、東京美術学校を追われる岡倉天心、帝国博物館館長を追われた町田久成。関わった全ての人物が、それぞれに挫折感を味わう物語だが、そんな人間の空しさを、救世観音が、アルカイックスマイルで静かに見下している。

  • KAZOO

    永井さんの「木挽町の仇討」が楽しかったので、手に取りました。これも私好みの作品で、何度か拝観した法隆寺の秘仏の救世観音の扉を明治時代に開いたときに係わる人物たちの物語です。小川一眞、九鬼隆一、アーネスト・フェノロサ、岡倉覚三、法隆寺管長の千早定朝、町田久成の物語が連作短篇のような感じで楽しませてくれました。またこの観音様を見たくなりました。

  • のぶ

    法隆寺の秘仏が、いろいろな視点で語られていて面白かった。法隆寺の救世観音像は、これまで200年の間、逗子の扉が開けられたことはない。開けたものには仏罰が降りると言われていた。しかし、その価値をあらためるため、政府によって扉が開かれようとしていた。そこに立ち会うのは、政府の役人、写真家、外国人、そして法隆寺の住職、定朝。岡倉天心、アーネスト・フェノロサなど、明治の美術界の主要人物が描かれているが、今でも生きているように活写され魅力的だった。時代小説とも、美術小説とも捉える事ができる永井さんの傑作だった。

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