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江戸人の老い 草思社文庫

氏家幹人

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784794223760
ISBN 10 : 4794223765
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

脳卒中による半身麻痺と言語障害を必死のリハビリで克服しようとした徳川吉宗。息子ら家族への不平不満を七万字にも及ぶ遺書に認めた文人。散歩と社交を愉しむ一方、社会への批判精神を失わなかった隠居僧―三人の男たちの「老後」を記した史料を丹念に読み解き、時代と個人を超えた普遍的な「老い」の風景を浮かび上がらせる

目次 : 第1話 ある老人の遺書―孤独と豊かさ(家族への不満/ 結婚六度/ 老人の正体)/ 第2話 それからの吉宗―大御所様残日録(華麗なる名君/ 史実とドラマの間/ 介護とリハビリの日々/ もう一つの吉宗伝説)/ 第3話 老人は郊外をめざす―『遊歴雑記』を読む(元気なお爺さんたち/ 隠者のように―十方庵敬順/ 老後を楽しむ達人/ 老人の役割)

【著者紹介】
氏家幹人 : 1954年福島県生まれ。東京教育大学文学部卒業。歴史学者(日本近世史)。江戸時代の性、老い、家族を中心テーマに、独自の切り口で研究を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hit4papa

    文献を紐解き、江戸時代の老人の姿から老いを考え直す試みです。江戸時代は、平均寿命が30代を聞いたことがありますが、これは乳幼児死亡率が高かったからだとか。著者は、文献等から80代、90代の老人は大勢いたことを読み解いています。なるほど、長寿は、大名などの上級国民だけではなかったのですね。本書は、鈴木牧之、徳川吉宗、敬順、といった江戸時代の3名の老人を取り上げています。3名の老人は、それぞれの老後を送りました。悲喜こもごもとはこのこと。自分は、健康寿命を延ばして他人に迷惑がかからない老後を目指します。

  • sofia

    江戸時代の「老人」の年齢についてもびっくりするが、それ以上に早く亡くなる人と現代の老人くらいに長生きする人の両極端がいることにもびっくりした。吉宗の晩年のリハビリ日記も興味深い。虎ノ門の金刀比羅宮が丸亀の京極家の上屋敷の敷地にあったのは初めて知った。

  • サケ太

    様々な“老い方”に想いを馳せる。江戸時代、思ったよりも高齢者が多く、その記録も遺されている。主に三人の人物を取り上げたられている。現代も過去も変わらない老の苦しみ悲しみ。では、懸命に働いてきたと語り、老後のこうではなかったという人生に怒りを感じている。御存じ徳川吉宗が、中風(脳卒中)を患い麻痺だけではなく、言語障害にもなっていたという。小笠原政登が記録した四年間のリハビリ生活。老後を楽しむ散歩老人。老いるという事、老いてなお生きるという事、その意味――保守としての意味には勇気を貰える。

  • bapaksejahtera

    「小石川御家人物語」と同様、本書も史料を基に江戸人の生き方を採り上げる面白い読み物。幼児死亡の為に平均寿命の短かいのみならず今日より老人人口の少なかった江戸時代人の老後について、3つの異なる事例を興味深く紹介する。始めは「北越雪譜」の鈴木牧之について。若い時から細かい事に拘泥する狷介な性格は、自覚し乍らも老年に酷くなり、出版を巡り馬琴や京山と交通のあった知的な印象との懸隔に驚く。引退後中風となった吉宗と近臣との交流が次項。最後は特異な近郊旅行記「遊歴雑記」を著した隠居僧敬順の自由ないい加減さ。好著だった。

  • そらパパ

    江戸時代は年齢が両極端だったんですね

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