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紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす

武田砂鉄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784255008349
ISBN 10 : 4255008345
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2015
Japan

Content Description

新しい書き手。自由な批評。

「柔軟剤なしのタオルと同じ。読むとヒリヒリ痛くて、クセになる。」
……重松清さん

「世に溢れる陳腐な言葉と格闘することはこの世界と格闘することだ。」
……白井聡さん

「育ててくれてありがとう」「全米が泣いた」「国益を損なうことになる」
「会うといい人だよ」「ニッポンには夢の力が必要だ」「うちの会社としては」……
日本人が連発する決まりきった〈定型文〉を入り口に、
その奥で硬直する現代社会の症状を軽やかに解きほぐす。
言葉が本来持っている跳躍力を取り戻すために。
初の著作、全編書き下ろし。


【目次】
はじめに
「乙武君」………障害は最適化して伝えられる
「育ててくれてありがとう」………親は子を育てないこともある
「ニッポンには夢の力が必要だ」………カタカナは何をほぐすのか
「禿同。良記事。」………検索予測なんて超えられる
「若い人は、本当の貧しさを知らない」………老害論客を丁寧に捌く方法
「全米が泣いた」………〈絶賛〉の言語学
「あなたにとって、演じるとは?」………「情熱大陸」化する日本
「顔に出していいよ」………セックスの「ニュートラル」
「国益を損なうことになる」………オールでワンを高めるパラドックス
「なるほど。わかりやすいです。」………認め合う「ほぼ日」的言葉遣い
「会うといい人だよ」………未知と既知のジレンマ
「カントによれば」………引用の印鑑的信頼
「うちの会社としては」………なぜ一度社に持ち帰るのか
「ずっと好きだったんだぜ」………語尾はコスプレである
「“泣ける”と話題のバラード」………プレスリリース化する社会
「誤解を恐れずに言えば」………東大話法と成城大話法
「逆にこちらが励まされました」………批評を遠ざける「仲良しこよし」
「そうは言っても男は」………国全体がブラック企業化する
「もうユニクロで構わない」………ファッションを彩らない言葉
「誰がハッピーになるのですか?」………大雑把なつながり
おわりに

武田砂鉄(たけだ・さてつ)
1982年生まれ。ライター。東京都出身。大学卒業後、出版社で主に時事問題・ノンフィクション本の編集に携わり、2014年秋よりフリーへ。
「cakes」「CINRA.NET」「Yahoo!ニュース 個人」「beatleg」等で連載を持ち、多くの雑誌、ウェブ媒体に寄稿。
インタビュー・書籍構成も手掛ける。本書が初の著作となる。

【著者紹介】
武田砂鉄 : 1982年生まれ。ライター。東京都出身。大学卒業後、出版社で主に時事問題・ノンフィクション本の編集に携わり、2014年秋よりフリーとなる。多くの雑誌、ウェブ媒体に寄稿。インタビュー・書籍構成も手掛ける。『紋切型社会―言葉で固まる現代を解きほぐす』が初の著作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • どんぐり

    決まり切った「紋切型」の言葉と思考の格闘をし、言葉に囚われた人間の思考と行動を痛快に穿り出している。全部で20章ある。最初の話は、「乙武君」と題した章。敬称の安定と不安定が見えてくる「君」と「さん」。なぜ、この人には「君」を使い、あの人には「さん」を使うのか。「乙武君」は「乙武さん」とは呼ばれず、「川田(龍平)さん」は、国会答弁以外「川田君」とは呼ばれない。これは親しみやすさの度合いを表すことで使われているのか、年下であったり年上であったり、諸々の関係性で単なるアクセスする側の都合でしかない。ほかにこんな

  • ネギっ子gen

    この題名で、著者に「放たれた言葉が紋切型として凝り固まっていく社会はつまらないし、息苦しい」と書かれてしまったら、レビューにビビッてしまう、というのが正直なところ。何せ語彙が貧弱なので、つい、出来合いの感覚にフィットしたワードを安易に使い回しているもので……。ま、「専門用語の誤用」には警戒している(つもり!)なんだが、結構罠に、ね……。例えば、「物語に通奏低音のように響いている」なんて、何気に使いたくってね。でも、これって使わないほうが無難のようで……うーん、言葉は難しい……と固まるわたしって、さて……⇒

  • kana

    《言葉を拘束する、この最たる悪例として考察しておきたいのが「プレスリリース」の存在。》広報としては耳が痛く、また言葉と向き合うお仕事をされている方にはぜひ読んでいただいて、1章ずつ深く語り合いたくなる1冊でした。たとえばほぼ日的な言葉遣い、24時間テレビの決まりきったコピー、東大話法、「全米が泣いた」的煽り文句。著者は決して紋切り型を頭ごなしに否定するのではなく、その背景にある人の気の弛みや社会の怠惰、それと気付かない危機感について語るのです。《言葉は今現在を躍動させるためにある。》の結びに痺れました。

  • Y2K☮

    ネット&SNS時代の欺瞞を切り裂くシビアな批評本。流れに淀みを感じる章もあったが、東京五輪や原発への言及、正しい日本語論、そして現政府のスネ夫的且つ狡猾な(実はバレバレな)張りぼてマッチョイズムを暴く箇所など概ねは我が意を得たり。反響と炎上は違うし、厳しい意見と「ディする」もイコールではない。不賛同が即ち敵意ではないし、イイネやナイスが付かなくても全く問題ない。不景気のせいか一億総批評家時代への警戒か、耳触りのいい紋切型の言葉で無難に済ませようという傾向は自分にもある。社会性と個人性の均衡を考えてみます。

  • Y

    見たものに対して感じたことを、その場しのぎに紋切型の言葉に押し込めることでどれだけ自分が窮屈な考え方に縛られていたか思い知った。読み進めていく内に紋切型の言葉にまみれた今の社会の問題点が見えてきた。読み始めとんでもないひねくれ者かと思いきやどんどん文章が鋭く熱くなっていって痺れた。正しいとか正しくないという単純な観点からではなくて、色んな人の意見やニュースに積極的に耳を傾けて、その上で自分の考えを自分の言葉にできるほどに考えをこねくることができたらと思う。「社会の片隅」を見つめる視力を向上させてゆきたい。

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