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現象学と形而上学 フッサ-ル・フィンク・ハイデガ-

武内大

User Review :4.0
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Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784862850768
ISBN 10 : 4862850766
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2010
Japan

Content Description

現象学は反形而上学という決意のもとで出発した。しかし1960年代に、レヴィナスが「絶対他者への欲望」として形而上学を標榜し、80年代からはアンリやマリオンなどフランス現象学界で「魂に内在する神の啓示」、「存在なき神」などいわゆる神学的転回の議論が活発化した。90年代になると神学のみならず広い意味で現れざるもの、現象しないものへの関心が高まっていった。またフッサール研究でも志向分析の限界に関する議論が盛んに行われ、誕生と死、無意識の問題に光が投ぜられた。このような非現象性への関心からオイゲン・フィンク再考の機運が高まり、94年にはフィンク・コロキウムが催され、全集(全30巻)の刊行も始まった。彼の「非存在論」はフッサールおよびハイデガーとの批判的対決を通じて独自の展開を見た。フィンクはハイデガーの存在論とフッサールの志向的意識分析を媒介し両者を乗り越えようとし、意識の存在を包括する開けの次元として世界を位置づけ、さらに世界を「存在の地平」として思惟することにより、志向分析や存在論よりも根源的な問題地平を開いた。本書は初の本格的フィンク研究として、現象学や現代思想に関心のある読者に興味深い一書となろう。

目次 : 序 形而上学と世界問題/ 第1部 現象学的形而上学としての非存在論(絶対者の現象学としての非存在論/ 非存在論と時間分析)/ 第2部 コスモロギーと現象学的世界論の展開(コスモロギー的世界論の成立/ 光と闇の現象学)/ 結びにかえて

【著者紹介】
武内大 : 1968年東京生まれ。1991年中央大学文学部哲学科哲学専攻卒業。1996年東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得退学。東洋大学文学部哲学科助手を経て、同大学文学部哲学科非常勤講師。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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本書のテーマとなっている哲学者オイゲン・...

投稿日:2018/08/01 (水)

本書のテーマとなっている哲学者オイゲン・フィンクは現象学の巨匠フッサールの弟子であり、フッサール現象学の後継者として長年知られてきました。1990年代ごろからは独自の世界論を生み出した哲学者としても注目されるようになりました。その哲学はユニークで独創性に富んでおり、その全体像を歴史的な観点からとらえるのは、重要ながらチャレンジングな作業かと思われます。 本書はフィンク研究の土台となる一冊です。作者はフィンクが日本で脚光を浴びる前から研究を続け、現在は自治医科大学の教授を務める武内大氏。2007年の自らの博士論文をふまえ、包括的な研究書として仕上げられています。「脱現在化」「時間揺動」といったキーとなる概念も解説されています。

とむTOMSとむTOMS さん | 神奈川県 | 不明

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