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白鳥随筆 講談社文芸文庫

正宗白鳥

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062902694
ISBN 10 : 4062902699
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

近代日本文学の中で独自の地位を築いた作家、正宗白鳥。その孤高の視点と、言文一致が心地よい文体を愉しめる随筆を坪内祐三が厳選。

【著者紹介】
正宗白鳥 : 1879・3・3〜1962・10・28。小説家。岡山県生まれ。東京専門学校(早稲田大学の前身)文学科卒。キリスト教に惹かれ受洗、内村鑑三に感化される。後に棄教の態度を示すが、生涯、聖書を尊重した。1903年、読売新聞社に入社、7年間、美術、文芸、演劇の記事を担当、辛辣な批評で名を馳せる。『紅塵』(07年)、『何処へ』(08年)を刊行するや、代表的自然主義作家として遇される。劇作も多く試み、評論でも重きをなした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 随筆をよむと、作家の人となりがダイレクトに伝わる。白鳥は、虚無主義がその大部分を占めるひとだ。空虚感やけだるさなどは、ある意味自分自身に多少、必要な気持ちかもしれないと思った。歯に衣着せぬものいいに潔さを感じ、するすると面白くよめた一方、強烈な印象も受けたので、彼のことは小説を通じて味わいたい、とも思った。「芸術の神髄を理解するのは、その方面の貴族であると云っていい」「ただ真なるが故に新なり」はっとすることばも多く。小林秀雄をつうじ知った白鳥、なかなか楽しいひとだ。

  • shinano

    「漱石と私」★ 白鳥の「自分」を夏目漱石で出す。逸文か★ これはこれで、面白い。 文芸は客観ではないことを白鳥はいいたいのだろう。わかる。だか、評論での自感の補強は、客観をも論点にもってって、持論の客観とのオセロを「説かなければ」、小学生の読書感想文にしかならないとぼくは思うが白鳥は違う。我(我の文学観)との対比でしかない。教えられることは多々あるが、これは視点の設け方と感受性でしかないのだから、そこを白鳥は「自」で押している、押し方が『キツい』だけか。白鳥「創作」が世に受けなかったのを次読もう。

  • ジャズクラ本

    ◎小林秀雄の新潮CDで興味を惹かれて手に取った随筆。白鳥の物した随筆のなかで単行本等未掲載のものを坪内祐三(今年1月逝去)の選によって年代順に取り上げている。若年の頃は命に関わる胃腸の不具合のためにそれ程長くは生きられないだろうと諦観していた為か随所に厭世的な気分が垣間見られるが、結局83歳まで生き長らえ、壮年以降にはニヒリズムにまで昇華した様々な文章所見が光芒を放っており、戦争観や作家論、出版社、座談会を評したなかにそれらが珠玉の如く散らばめられている。何度も再読して楽しみたい一冊となった。

  • yoyogi kazuo

    坪内祐三の解説を先に読む。するするするすると読める、というが、確かにすんなり読めて心地よい。つまらないものを「つまらない」と切って捨てる、この身も蓋もない投げやりさは、ある種晩年の小島信夫のエッセイに通じるものがあると思った。究極のニヒリスト、と裏に書かれているが、若い頃に基督教の信仰を潜り抜けて来たからこそここまで虚無に徹することができるのかもしれない。

  • Lieu

    元気だった人が歳をとってから体が弱くなり厭世的になることはよくあるが、白鳥は若い時から胃弱で(とはいうものの天麩羅を好んだり午餐に刺身を欠かさず食べたりするらしいので怪しい)生涯に渡りずっと意識の低空飛行であった。御前座談会に出席するくらいだから相当世渡りが上手く、厭世家も作家としてのキャラだと思うが、他の作家を見る目はたしかで、長生きをしたこの人を通して近代日本の文壇の全体像が見えてくる。ところで『評論家として』で紹介される荒木陸相が『戦争と平和』の愛読者であったという記事はどこに出ているのだろう。

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