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白い孤影 ヨコハマ・メリー ちくま文庫

檀原照和

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480435538
ISBN 10 : 4480435530
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2018
Japan

Content Description

港町・横浜の街頭に40年も立ちつづけた白塗りの老女がいた。その光景は、ハマっ子の記憶に鮮烈な印象を残している。なぜ人々は彼女をメリーと呼び、その思い出を語りつづけるのか。背景となった歴史をひもとき、彼女が生まれた地に足を運ぶなど、長期の取材と独自の視点で都市の記憶に斬り込んだ異色ノンフィクション。文庫オリジナル

目次 : 第1部(ロマンチシズム最後の光芒/ メリーさん関連のオーソリティーが会したジャズ・フェスティバル/ 元次郎さんの自宅で起きたこと ほか)/ 第2部(老いた体に盛装を/ 戦前の名物娼婦・メリケンお浜とメリーさんを結ぶ不思議な偶然/ 生身のメリーさん ほか)/ 第3部(メリーという名前にまつわる考察/ 伝説化し語り継がれるようになった四つの背景/ 将校は実在したのか ほか)

【著者紹介】
檀原照和 : 1970年東京生まれ。ノンフィクション作家。法政大学法学部政治学科にて戦後の横浜市の枠組みをつくった田村明のゼミで学ぶ。舞台活動を経て文筆業へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • つちのこ

    中村高寛監督の著作『ヨコハマメリー』を読み、同名映画も観たのでメリーさんに対する予備知識はあったが、なぜ著者が二番煎じにもなりそうなモチーフに固執したのか、今一つ伝わらなかった。メリーが生きた横浜の背景と彼女の足跡をたどり、映画にも出てくる晩年を過ごした老人ホームを追跡していくくだりは、執拗さを通り越しているが、すでに先達の後追いでしかない孤高の印象を受けた。著者が語る、ヨコハマメリーの謎を更新し続ける、議論の叩き台というのも賛否あるだろう。伝説として風化していくまま、そっとしておくのもありかもしれない。

  • たまきら

    ほぼストーカーなのり、渾身の取材です。個人的に横浜・白塗り、といえば大野一雄。前回彼女についての本を読んだ時もそう感じていたの、慶人さんの言葉が出てきてビックリしつつも色々納得。大野一雄の代表作でもあるラ・アルヘンチーナを思った。時代でなんでも片づけてはいけないけれど、時代が産んだなにかを体現している気がする。そして、今日も他の町で新しく何かが生み出されている気がする。どこにでもあっただろう存在が伝説となる過程は、哀しくも興味深かった。

  • 阿部義彦

    ちくま文庫去年12月の新刊。文庫オリジナル。横浜の都市伝説ではなく実際に住んで(住所不定)沢山の人にも目撃されてメリーさんと呼ばれていた白塗りの娼婦に関する覚書です。1番の収穫は宇崎竜童さんの証言で、彼女の事をヒントにして「港のヨーコ 横浜 横須賀」を作ったということです。関係者もなくなってる方が大半ですが、作者は本名と生家まで特定して故郷を尋ねて、親族から話を聞いているし、同窓会名簿などで名前が間違いなく小学校に載ってるの確認しています。が何故毎日身体を怪我して背骨が曲がっても立ち続けたのかは謎です。

  • AN

    読んでいて辛い本だった。横浜の町に全身白づくめで立っていたメリーさんと呼ばれた人についての取材記。戦前・戦後を通してメリーさんの様な人は全国にいただろうが、占領や複雑な家庭環境、貧困だけではとても彼女のことは語れないだろう。平成の時代にメリーさんを知る人に取材をする事は困難だったろうし、著者の努力も並大抵のものではなかったようだ。だが、メリーさんの実情に近づこうとすればすれほど、他の似たような境遇の人々の逸話を盛り込む事になり、若干メリーさん本人のエピソードから離れてしまいがちだったのが少し残念。

  • shoko

    メリーさんを追っていくことで戦後の日本のこれまで知らなかった部分を覗けたような気がした。だけど、結局メリーさんとは何だったのか、よくわからないままなのですけど。途中から恐らく正解が出ないまま終わるのであろう感を感じてしまったので、モヤモヤと諦めと、新年早々スッキリしない。謎は、謎のままでやっぱり良いのかな。真実なんていう現実は、必要ない気もする。

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