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民主主義の源流古代アテネの実験 講談社学術文庫

橋場弦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062923453
ISBN 10 : 4062923459
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
橋場弦 ,  

Content Description

現在の民主主義の源流は、二五〇〇年前のアテネにある。独裁者の出現を最も警戒した市民は、試行錯誤を重ねて徹底した直接民主政を創り上げた。民会で苛酷な罰を受けたペルシア戦争の英雄、ミルティアデス。ソクラテス、プラトンの民衆裁判への敵意と侮蔑。時に理想視され、あるいは衆愚政として否定された「参加と責任のシステム」の実態を描く。

目次 : 第1章 マラトンの英雄とその死/ 第2章 指導者の栄光と苦悩/ 第3章 参加と責任のシステム/ 第4章 迷走するアテネ/ 第5章 民主政の再生/ 第6章 たそがれ

【著者紹介】
橋場弦 : 1961年、札幌市生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • niisun

    高橋源一郎さんの『丘の上のバカ』で興味を持ち読んでみました。“群衆による恐るべき専制支配””衆愚政”など批判的な目で見られることが多いアテネの民主制ですが、この本からは、権力の集中が生み出す専横的な支配への逆行を忌避したアテネ市民の執念が伝わってきました。如何に一人の人間に権力の集中と継続が起きないように出来るかを突き詰めた制度設計には頭が下がります。翻って現代日本では、自民党総裁の任期延長が認められる一方で、首相夫妻の名が絡む不可解な土地取引が露見するなど“民主主義”は建前の役も果たさなくなってますね。

  • 風に吹かれて

    古代アテネの直接民主制。特定の人間が権益を得ないように「公」と「私」を明確に分け、抽選で行政や裁判に携わる市民を決め、選ばれると「私」を顧みる暇はなかった。何をどう行ったか、そのためにどれだけの金額を何に使ったか、徹底した監査が行われ市民に認められないと弾劾された。  デロス同盟の盟主アテネ。周辺地域からお金を集め農作業などは奴隷が行い、アテネの成年男子は政治に勤しんだ(女性には参政権はなかった)。 →

  • ジュンジュン

    禁欲的なキリスト教倫理観から、逆説的に利益追求を肯定する資本主義精神が生まれた、と説いたのはマックスウェーバーだったか?今から2500年前、古代ギリシアに直接民主政が生まれた。通説では「アテネ民主政はペリクレス時代に頂点に達し、ペロポネソス戦争を境に衆愚政治に陥り衰退した」。著者は否定する、こんなのは近代を古代に投影して貼り付けたレッテルにすぎないと。近代的価値観でキリスト以前に誕生した制度を眺めても、真実は見えてこない。著者は古代ギリシア人が民主制をめぐって試行錯誤した足跡を丹念に跡付ける。

  • 人間

    ペリクレスあっての民主政だと思っていたけど、その後進化していたのは初めて知った。一度寡頭制になって復活した時は民会決議よりも法を優先する取り決めになった。興味深かったのは、市民の政治への関わり方。裁判員は抽選で決めるけど、民族は人工的に組まれ特定の家柄を代表しない。贈収賄への防御策や弾劾のルールが張り巡らされてもいる。何よりアテネ市民の政治への関心の高さである。裁判を少数のエリートに任せても、人であれば買収や偏向的な考えから逃れられるわけではない。現代と比較してみるとアテネの民主政に見るべきものは多い。

  • Z

    アテネの政治システムの仕くみ、歴史を書いた本。寡頭制の政治体制を民衆が打倒し民主主義体制をアテネは作っていった。途中独裁政治に戻っても、民主主義の再興を繰り返した。このパワーがどこから来るのか、この問いには自立の意識が強かったということしか書いてないが権力の集中化というのを防ぐことに並々ならぬ努力を注いだことがよくわかる。役員の任期制、籤引き、トウヘン追放。お金で買収されないように人数や抽選の仕方もぬかりないシステムを作り上げた。国家公務員の給与増、大臣の金銭授与。最後の文は読了後みたニュース-_-

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