幻綺行 完全版 竹書房文庫

横田順彌・文

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784801922853
ISBN 10 : 4801922856
フォーマット
出版社
発行年月
2020年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
478p;15

内容詳細

その男がゆくところ、必ずや冒険と怪奇が待ち受ける。
男の名は中村春吉。
明治の世に自転車で世界一周無銭旅行を決行した快男児である。
困っている人間を見捨てておけぬ性分ゆえによく事件に巻き込まれる。
そんなバンカラの権化のような男が、
蘇門答剌(スマトラ)で面妖な植物と遭遇したのを皮切りに、
波斯(ペルシヤ)では怪魔像と対決し、
露西亜(ロシア)では突如現れては消えるバラバラ死体の謎に挑む。
中村春吉が求めるのは秘宝にあらず名誉にあらず。
ただひたすらに未知なるものを求めて探検と旅を続けるのみ。
明治の世界を舞台に冒険譚とSFを見事に融合させた傑作が、
単行本未収録の二篇を加えた完全版として令和の世に甦る!


目次
【収録作品一覧】
「聖樹怪」 「SFアドベンチャー」1989年7月号
「奇窟魔」 「SFアドベンチャー」1989年10月号
「流砂鬼」 「SFアドベンチャー」1990年1月号
「麗悲妖」 「SFアドベンチャー」1990年4月号
「求魂神」 「SFアドベンチャー」1991年3月号 ※初刊本未収録
「古沼秘」 「SFアドベンチャー」1991年9月号 ※初刊本未収録

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横田順彌さんはユーモアSFの名手であると...

投稿日:2021/03/03 (水)

横田順彌さんはユーモアSFの名手であると同時に古典SFと明治文化の研究者でもあった。現代最先端のSFで起きるような事件が明治時代に起こって、それを明治の人がどう理解していかに対処するのか。当時の人間になりきって書ける唯一無二の作家でありました。 この文庫は単行本未収録の2篇を追加した完全版で、ほんとに古本屋から掘り出してきたみたいな装丁も素晴らしい。

tm さん | 静岡県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ゲオルギオ・ハーン さん

    自転車の横でポーズを決めるオッサン、鬼っぽいなにか、UFOと表紙から一撃を叩き込んでくる一冊。実在の冒険家 中村春吉を題材にした歴史SFシリーズの中短編集。ジャワ島からモザンピークまでと旅の範囲は広く、シリーズのお約束のご都合主義(褒め言葉)で数々の危機を切り抜けていく。偉人は出ない代わりにとんでもない相手がたくさん出てくる(巨大ザリガニ、食人植物、マッド・サイエンティスト坊主など)。しっかり者ヒロインの志保や人格者系守銭奴 石峰君も春吉に負けず活躍する。いろいろと濃いシリーズだと再認識させられる。

  • one_shot さん

    冒頭の一言目が「わが輩」で始まる小説が面白くないわけがない。時は明治三十六年、ライト兄弟が人力飛行に成功した年に極東の小国を飛び出した世界自転車無銭旅行者・中村春吉は、スマトラの女郎宿から助け出した美女・雨宮志保と石峰青年とともに世界の僻地をまわり見た事もない怪獣猛獣宇宙人らを相手に荒唐無稽な死闘を繰り広げる。しかし何よりも私の心を温かくさせたのは、旅先の見知らぬ人々の無銭旅行者に対する手厚い歓待だった。作者の横田順彌は2019年に逝去されたが、この馬鹿馬鹿しき世界、は今こそ読まれるべきと思う。

  • ヴィオラ さん

    なによりもまず、主人公・中村春吉という人物が実在していたという事に驚く。ネットで調べると、小説内での描写も割と実際あった(と言われている)ことだったりするのも驚く。世界からどんどんと秘密がなくなっている現代、逆に「秘境探検物」ってのが読んでいて楽しい。作者の「明治SF」は、まとめて読みたいなぁ。個人的には、少し時期がズレてたら「春吉vs切り裂きジャック」が読めたのに…とか思っちゃったw

  • スターライト さん

    〈SFアドベンチャー〉に掲載された、明治の快男児・中村春吉の冒険譚6篇を収録。自転車による世界一周無銭旅行を決行する春吉は、お供に石峰青年と魅力的なだけでなく機転も利く雨宮志保を連れて、スマトラを皮切りにチベット、ペルシャ、ペテルブルグへと世界各地をまわる。そして行く先々で奇怪な生物や現象を見聞きすると、果敢にその正体を確かめるべく現地に赴く。冒険小説の王道を行く展開に、男2人が窮地に陥った時の、紅一点の志保の機転がすばらしい。女性キャラクターをいわゆる「添え物」にしないところに、好感が持てる。

  • kurupira さん

    そうだよな、探検小説って状況によってはSFだよな、ハチャメチャで痛快な素晴らしい作品でした。小学生のときに少年探偵団シリーズを読んでた感覚を思い出す。書店で見かけたら是非、製本の良さを見て欲しい、あえて古めかしくデザインされている。そして巻末にある挿絵集、、画廊と書いてあった、、これもチラ見すべき、口髭をはやしたダンディなおじさんが自転車で世界を探検している姿が見れるよ!

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人物・団体紹介

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横田順彌・文

1945‐2019年。佐賀県に生まれる。法政大学法学部卒業。70年、「少年チャンピオン」にショートショートを発表し商業誌デビュー。SF、冒険小説作品の他、古典SF研究、明治文化研究の分野でも精力的な執筆活動を行った。88年、『快男児押川春浪』(會津信吾と共著)で第9回日本SF大賞、2011年『近代日

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