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仕事に「自己実現」は必要か 悪用される「内発的動機づけ」を考察する 平凡社新書

榎本博明

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582858778
ISBN 10 : 4582858775
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

本来、自己実現とは、人間としてより成熟していくことを指す。だが、「仕事で自己実現しよう」「やりがいこそが仕事で大切」など、仕事と自己実現を結びつけ、やりがいを感じさせることで、働く人びとに、低賃金で過重労働を強いる現実がある。あくどい経営者が内発的動機づけという心理学の概念を悪用しているのだ。なぜ、そのような言葉のトリックに簡単に引っかかってしまうのか…。無自覚のうちに植えつけられた仕事観や、その社会的な背景、対処法について考える。

目次 : 第1章 「活躍したい」「輝きたい」は悪いのか(活躍できていない自分への苛立ち/ 「やりたい仕事」病は和らぎつつあるが… ほか)/ 第2章 「自己実現」によって搾取される人たち(「お客様の満足」「お客様の笑顔」という魔法の言葉/ 「間柄の文化」だからこそ、人の役に立ちたいという思いが強い ほか)/ 第3章 悪用される「内発的動機づけ」(まるで新興宗教団体のような会社/ 新入社員ほど、洗脳される ほか)/ 第4章 「使命感」や「人間関係」に縛られやすい日本人(日本で過労死が多いのはなぜか/ 「期待に応えたい」というモチベーション ほか)/ 第5章 人は仕事をするために生きているのではない(だれだって日々の仕事に意味を感じたい/ 仕事生活に意味を感じられない ほか)

【著者紹介】
榎本博明 : 1955年東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て、MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • hatayan

    就職する前からやりたいことが決まっていて、仕事で自己実現できる人などほんの一握り。生活そのものや充実した余暇のために仕事をすることがいけないことなのか。近年の「一億総活躍」「女性が輝く社会」といったムードに再考を促す一冊。 欧米の「自己中心の文化」に対して日本はお互いに相手の立場を慮る「間柄の文化」。「お客に喜んでもらえればモチベーションが上がる」という使命感ややりがいは働く人を生き生きとさせる反面、他律的な心理のメカニズムにつけ込んで従業員を酷使する雇用主が後を絶たないことを繰り返し訴えています。

  • きょちょ

    「自己実現」とはマズローの欲求5段階の最高段階であり、企業の目標管理制度も理想は業績の向上と個人の自己実現の欲求を満たそうとするものだ。 しかし、この「自己実現」あるいは「やりがい」「仕事で輝く(うげ〜、気持ち悪い〜)」などの言葉を巧みに使って低賃金で働かせるブラック企業があるという。これって洗脳ではないか? 「自己実現」「やりがい」などは本来自己の内的な部分から出てくる(感じる)ものであって、他人から言われて一体どれくらいモチベーションが維持されるのだろう? IT、介護、外食、保育に多いらしいが。★★★

  • テツ

    日本では(他国に住んだ経験がないので日本のことしか知らんが)自己実現って他者との関わりの中からしか見出せない、見出してはいけないという空気があるような気がずっとしていたけれど、喉のあたりにへばりついていたそうした違和感についてようやく咀嚼できました。特に仕事に関係付けられやすいよな自己実現。生きていくために食い扶持を稼ぐというだけの行為に無駄な価値観を持ち込む必要はないし、それを強いてくる方々にはそうしたい理由があるのだということ。自立と自律が確立していれば何をしていようが自己はここに存在する。

  • uD

    政府は「一億総活躍」や「女性が輝く」などメディアを通じた宣伝文句によって「自分も活躍しなければ」と思わせようと必死です。 分相応な現実を見つめている人になるか、実力のかけ離れた目標を掲げる人になるか。要はバランスですが、安易なキャリア教育に踊らされて非現実的な夢を見ている学生だけは、かわいそうだと思います。 「やりがい」はあったほうがいいけれど、不当な搾取に対して労働者の感受性を鈍らせる一面もある諸刃の剣だという結論に至ります。「やりがいとかいらないんで残業代ください」と言える人や社会の方が健全なのかも。

  • さとうはるみ

    たしかにこんな現実は聞く話ではある。そう思うとなおさら、 思考停止なんてしたら企業にもいいように使われて捨てられるだけだなと思う。なんでも、経営者にはそういう人の気持ちがわからないサイコパスな人の割合が多いと聞いたこともあるし。 不景気になればなるほど、無気力になって何もかもしたくなくなって、 思考停止したくなるんだけど、まさに不景気「だからこそ」この風潮と誘惑にあらがって 自分の頭で考えて、もう逃げなければ身体が持たないと わかったら、逃げる勇気を持って逃げないといけない。

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