Books

「おもてなし」という残酷社会 過剰・感情労働とどう向き合うか 平凡社新書

榎本博明

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582858396
ISBN 10 : 4582858392
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

私たち日本人は、人と人との「間柄」を配慮しながら生きてきた。だからこそ、接客の場で心地よい「おもてなし」がなされてきたのだ。しかし、もともと丁寧な対応をし、信頼関係を築いてきた場に、欧米の「顧客満足(CS)」といった概念が取り入れられ、従業員は過剰な「お客様扱い」を強いられるようになった。そして、客は過剰な接客を当然とみなし、どんどんわがままになっていく―。過酷なストレス社会を生き抜くために、その社会的背景を理解し、対処法を考える。

目次 : 第1章 なぜ、過剰な「お客様扱い」が当たり前となったのか(「顧客満足(CS)度」が日本人の心を壊す/ オリンピックに向けてもてはやされる「『おもてなし』の精神」 ほか)/ 第2章 あらゆる職業が感情のコントロールを強いられる社会へ(一方的な奉仕を強いられる社会/ 感情労働に必要とされる表層演技と深層演技 ほか)/ 第3章 「お客様は神様」という発想が働く現場を過酷にする(心の不調を抱える人たち/ 高まりをみせる労働問題が絡む自殺比率 ほか)/ 第4章 職場内すらも抑圧された感情が渦巻く場に(横暴な上司に対して、ひたすら我慢する部下/ 上司を傷つけないように気遣いも必要なんて… ほか)/ 第5章 過剰・感情労働時代のストレスとの付きあい方(客となってストレスを発散する社会/ リフレーミングの必要性 ほか)

【著者紹介】
榎本博明 : 1955年東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て、MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 鉄之助

    「おもてなし」を勘違いし、生きにくくなっている現代日本に警鐘。顧客満足と共に、「従業員満足」も達成しないと、長続きしない、と実感。

  • きいち

    図書館で言われる「ありがとうございました」への強烈な違和感!そうそう、と膝を打ち読み始めた。感情労働に疲れた人が、客となってそのストレスを発散するためモンスターと化し、新たな感情労働ストレスを生んでいくという負のスパイラル。逆転させるのに特効薬などない、個々の労働者、個々の職場での取り組みを回していくしかない。ここで提示された処方箋のなかでも特に有効だと思ったのは、相手の背景まで考察する「探索的理解」。相手の苦しい状況が理解できれば腹も立たなくなることは確かにある。どんな仕事でも大切なスキルかもしれない。

  • hatayan

    欧米は自分第一の「自己中心の文化」だが我が国はお互いに気遣いしあう「間柄の文化」。顧客満足の考え方が輸入されると日常に加え仕事の場でも感情の抑制を迫られることが増え、一方顧客である保護者や患者は増長。現場の教員、看護士にしわ寄せが行くことを懸念します。 ストレス過多の環境を生きる処方箋として、事実を違った枠組みに置く「リフレイミング」、メンターを持つこと、日記など個人的なものに思いを書き留める習慣を持つことを列挙。気分が落ち込むことがあってもやがて回復するしなやかさ「レジリエンス」を高めたいと提案します。

  • 鱒子

    図書館本。サービス過剰へ警鐘を鳴らす本。全くその通りだ!もっと言ってくれ! しかしーー 自分は販売業従事者です。本書に書いてある通り、理不尽な「お客さま」も確かにいますが、そればかりに目を向けると仕事というものを見失う気がします。接客業に限らず、上司部下の間柄にも存在する、過剰な「感情労働」 。結局のところ、自分がどこに立ち、どこに目を向けるかを見つけらないと、解決しないと思います…。

  • 寝落ち6段

    本来、おもてなしというのは、主人が客人を喜ばすために趣向を凝らし、客人は主人からの厚意に応えておもてなしを讃えるという、双方向性のものではないだろうか。茶道はまさにそれで、そういう精神こそが人間関係の基本ではないだろうか。いつの間にか、客というのが神様みたいに扱われ、お邪魔される店の主人の方が低位におかれるようになった。特に現場は酷いもので、勘違いした自己中心的な客に蹂躙されている。根本的にストレス過剰社会が原因となるが、その捌け口となる現場でさらにストレスが増長される。低ストレス社会の実現が急務である。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items