Books

日本陸軍とモンゴル 興安軍官学校の知られざる戦い 中公新書

楊海英

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121023483
ISBN 10 : 412102348X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
楊海英 ,  

Content Description

一九三〇年代に満洲の地で、日本陸軍が関与し、モンゴル人へ軍事教育を施す目的で作られた興安軍官学校。日本の野心と中国からの独立を目論むモンゴルの戦略が交錯する中から生まれた場所だ。本書は軍事力により民族自決をめざすモンゴル人ジョンジョールジャブや徳王らの活動、軍官学校生らが直面したノモンハン戦争から敗戦にいたる満蒙の動向などを描く。帝国日本に支援され、モンゴル草原を疾駆した人びとの物語。

目次 : 序章 軍人民族主義者とは何か/ 第1章 騎兵の先駆と可愛い民族主義者/ 第2章 民族の青春と興安軍官学校/ 第3章 植民地内の民族主義者集団/ 第4章 興安軍官学校生たちのノモンハン/ 第5章 「チンギス・ハーン」のモンゴル軍幼年学校/ 第6章 「草原の二・二六事件」と興安軍官学校の潰滅/ 終章 「満蒙」残夢と興安軍官学校生の生き方

【著者紹介】
楊海英 : 1964年、南モンゴルのオルドス高原生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。日本名は大野旭(おおの・あきら)。北京第二外国語学院大学アジア・アフリカ語学部日本語学科卒業。同大学助手を経て、1989年に来日。総合研究大学院大学博士課程修了。専攻は文化人類学、博士(文学)。著書『墓標なき草原』上下(岩波書店、2009年、司馬遼太郎賞受賞)、『チベットに舞う日本刀』(文藝春秋、2014年、樫山純三賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • yamatoshiuruhashi

    表題に「日本陸軍」とあるが、これは紛れもなくモンゴル人から見たモンゴルの近代史である。「日本陸軍のお陰で独立運動が進んだ」と解して読めば大きくつまずく。日本は決して独立を認めなかった。「偽国(満州国)を倒してモンゴル人を解放した」とみる中国の視点では大きく乖離する。満州の2/3を占めるモンゴルは決して中国ではない。事実は中国がモンゴルを支配下に置いただけだ。チンギス・ハンの大帝国以降、少数民族となったモンゴルが独立を取り戻すために「軍人民族青年」がいかに大切だったかを教えてくれる。目から鱗の一冊であった。

  • Tomoichi

    出来るだけ気分が落ちる日華事変以降の戦争ものは避けてきたが、タイトルに惹かれて購入。先ずは著者のスタンスに好意を持った。国際関係である以上、正義やモラルだけで歴史は裁けない。お互い様なのだ。しかし南北モンゴルの近現代史に我が国が関わり、そしてそれが現在に繋がる支那の南蒙古支配に結果的にしろ加担してしまった事実には目を向ける必要がある。いつか南北蒙古が統一される事を望まずにいられない。

  • 活字の旅遊人

    期待させていたんだよなあ。

  • さえきかずひこ

    非常に興味深く読んだ。20世紀において、漢民族と日本の間でつねに苦汁を味わわされ翻弄されたモンゴル人たちの近代化の過程をジャンジョールジャブという一人の日本軍人・モンゴル軍人の生涯を通し豊富な資料を用いて描き出す傑作。日中という大国のナショナリズム、そして戦後のヤルタ協定によりモンゴル人の民族自決は挫折させられた。マクロな領域、つまり国と国の問題、民族と民族の問題は今も昔も込み入っていて実に厄介だ。しかし、ミクロな領域、つまり日本人とモンゴル人同士の間には愛も憎しみもあったことが活写されており素晴らしい。

  • 筑紫の國造

    今までなかった、新しい視点の近代史。モンゴルと言えば、チンギス・ハーンが思い浮かぶが、近代史の上で日本との関わりも無視できない。長い間の中国の影響を振り払うべく日本を選んだモンゴルの道のりは、その後も楽ではなかった。日本の国策に翻弄されながらも、ジョンジョールジャップ達は民族自決を目指して苦闘する。時に、それは冷酷とも言える決断にもなって現れる。日本がモンゴルに与えた待遇は決して寛大とは言えなかったが、彼らの中に脈打つ帝国陸軍の精神は、日蒙の強い絆の証であることは間違いない。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items