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結婚の自由 「最小結婚」から考える

植村恒一郎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784768479919
ISBN 10 : 476847991X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「結婚」とは何か、婚姻制度は必要か否か、改革は可能か。性愛関係を問わず、異性か同性かを問わず、2人かそれ以上かを問わない「結婚」はあり得るのか。婚姻制度は、国が法的・経済的・社会的手当を配分する制度である。米国のフェミニスト哲学者エリザベス・ブレイクはその著書『最小の結婚』で、「結婚」によってもたらされる公的支援は全ての人にアクセス可能でなければならないとして、ケア関係を柱とする「最小結婚」を提唱した。本書はブレイク『最小の結婚』をもとに、7人の執筆者が「結婚」について哲学的・政治学的・社会学的に考察した、刺激的な論集である。家族のあり方にかかわる結婚は特定の宗教や「伝統」の理想型から自由になれるのか。「結婚」を考える全ての人のための一冊。

目次 : 第1章 「結婚」に求めるものは「人それぞれ」―『最小の結婚』の主要論点/ 第2章 結婚式のデモクラシー―限りあるなかでの平等を求めて/ 第3章 一夫一婦制を超えて/のなかで生きる―米国ポリアモリーの現在/ 第4章 「結婚」はどこまでも必要なのか?―ケア関係からの照射/ 第5章 結婚よ、さようなら/ 第6章 婚姻制度の廃止か、改革か?―パートナー関係への国家介入について/ 第7章 性愛規範を超えて―最小結婚と非性愛的ケア(親密性)関係

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • カモメ

    エリザベスブレイクの『最小の結婚』を再考する。最小結婚の導入は自律的な個人像が一律に前提とされており、自己責任を要求する。法的な権利と責任を選択する為に状況を適切に判断する能力および十分な知識、複数の他者との合意形成が必要となるという指摘がなされている。基本的人権として結婚の自由を求める運動は奴隷解放運動がルーツであり続いて異人種間の結婚禁止撤廃へと続くが、個人化が徹底化されつつある現在の社会において婚姻制度による恩恵をなくし個人に配分することを検討していく必要があるというのは納得。

  • ちら

    法律婚の諸問題を解消するために、制度の撤廃ではなく「最小結婚」を提案するブレイク『最小の結婚』を日本の研究者が敷衍または発展する論説集。男と女二人の間にある「愛」を至上の価値としてそれを目標とすべきという「性愛規範性」を結婚制度の基礎におくのではなく、傷つきやすい人間相互のケア関係を中心的な価値とすべきという提案は、同性婚、複数婚、短期間婚という言葉のビビッドさと裏腹に穏やかな説得力を持つ。「定期的にセックスする相手とは同居したくない」「複数の友達と育児したい」「友達に遺産相続したい」が叶えばいいのにね。

  • 綿

    フランスの結婚、PACS、内縁(個人結合)はどれもカップルに関する最低限の保障(社会保険、移住保証など)があり、同時にそれぞれを選択したカップルが育てる子どもの地位と子どもに関する社会保障(家族給付)はすべて同じ取り扱いで、それは「成人関係」と「子ども」を切り離す理念が明確に表れているもの、というのはとてもいいなと思った。

  • モナカレェ

    ・結婚をあらゆる人が使えるものに改革しよう、すなわちあらゆる人がそれなしでは生きられない「ケア」を結婚の定義として使おうという挑戦的な提案を様々な角度からした本。「ケア」関係にあれば複数人でも友人でも家族でも構わない。今現在の排他的で永続的で性愛的な結婚からは想像できない新しい形。 ・結婚は廃止するのではなく改革するべき。私的な契約だけだとその内実がわからず保護されるべきマイノリティや社会的に弱い立場の人たちがより不利になる。国による認定はある程度必要、なのでみんなが認定されるような制度にしよう。

  • 読書家さんワタルサン

    『最小の結婚』の理解の助けになる本でした。

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