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青年 岩波文庫 改版

森鴎外

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003600269
ISBN 10 : 4003600266
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2017
Japan

Content Description

現代社会を描きたいという希望をもって東京へ出た文学青年小泉純一が、初志に反して伝説を題材とした小説を書こうと決意するまでの体験と知的成長を描く。作中に夏目漱石、木下杢太郎、正宗白鳥、森鴎外自身などをモデルとした作家が登場する。漱石の『三四郎』と並称される、鴎外初の現代長篇小説。明治43‐44年作。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Willie the Wildcat

    『三四郎』と『青年』の考察。理想と現実。漱石を文学者として評価した上で、自身の立ち位置の明確化。主人公の上京背景の差異が、両氏の出自の差異。ヒロインの差異が、明治という時代における理想主義と現実主義という両氏の思想の差異。最後に、性的欲求と恋愛の関係性の差異が、その具現ではなかろうか。新聞という媒体を通した不特定多数の読者に向けた夢を描いた漱石に対して、実務家としての軸を文学で表現した鴎外。本著の終わり方も、決して肩ひじ張ることなく、自身の創作を楽しむべく旅立ち、という印象。

  • まりお

    その時代で生活している、生きている人達の描写が良い。そして女、主人公から見た女。何でそこまで思うのか、悩むのか。それも時代と言うものだろうか。

  • みや

    作家を志して上京した青年が未亡人に心惹かれる青春小説。「そんなに面白くないかも」と思いながら読み続けていたら、ラスト30pで俄然面白くなった。主人公の純一に田舎臭さや切羽詰まった窮屈感がなく、どこか冷静で落ち着いているのは、実家が金持ちで育ちが良いからなのか。行動や感情を毎度毎度こんな風に理屈で考えて疲れないのだろうかと思ってしまうが、悲観的ではないから鬱々とした気持ちにはならない。互いに言い合うことで隔てがなくなった純一と大村の友情も、恋の結末も爽やかで良かった。純一の成長を感じ、読後の清々しさが快い。

  • 川越読書旅団

    練り歩きツアー(https://ameblo.jp/krb-2016/entry-12803999330.html) の事前準備として一読。率直に極めて面白い。明治期に書かれた作品ではあるものの、通底する価値観に大きな差異はなく、今(現代に)読んでもこんなにも楽しめる作品を上梓した鴎外先生にアッパレ。ゲーテの「ヴェルヘルム・マイスター」、トマス・マンの「魔の山」と同類の「教養小説」と位置付けられる作品であるとのこと。

  • mayumi

    森鷗外初の現代長編小説。主人公は地方から東京に出て来た小泉純一。作中には夏目漱石、木下杢太郎、正宗白鳥をモデルにした人物が登場。鷗外自身をモデルにした「毛利鷗村」もいて、かなり自虐的に描いていて笑えた。夏目漱石の「三四郎」を意識して書かれたようで、そこのところも興味深い。ただ、この作品、結構唐突に終わりを迎える。「一応これで終とする」とは鷗外の言葉。正直、「えーこれで終わり…?」と思わなくもない。ちなみに、岩波文庫の注釈はとても丁寧。願わくば、同じページにあったら、もっと読みやすかったかも。

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