山椒大夫・高瀬舟 新潮文庫

森鴎外

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101020051
ISBN 10 : 4101020051
フォーマット
出版社
発行年月
2006年06月
日本
追加情報
:
16cm,376p

内容詳細

人買いのために引離された母と姉弟の受難を通して、犠牲の意味を問う『山椒大夫』、弟殺しの罪で島流しにされてゆく男とそれを護送する同心との会話から安楽死の問題をみつめた『高瀬舟』。滞欧生活で学んだことを振返りつつ、思想的な立場を静かに語って鴎外の世界観、人生観をうかがうのに不可欠な『妄想』、ほかに『興津弥五右衛門の遺書』『最後の一句』など全十二編を収録する。

(「BOOK」データベースより)

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傲慢で出世しか考えなかった若者が、友の名...

投稿日:2021/04/25 (日)

傲慢で出世しか考えなかった若者が、友の名誉を守るために5日で小説を書き、家族の献身を描くように変わっていく、その姿が描かれ、年齢とともに環境や精神が変化するように、同じ作者でも1つをとって評価を固めるのは危ない事であるし、これは芸術に限らず大方の事象に通ずるなと感じた。

とどけ さん | 千葉県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    (感想は「高瀬舟」のみ)短い作品だが実によく彫琢されている。その抑制された文体はまさに鷗外のもの。登場人物は同心の庄兵衛と罪人の喜助のみ。この短い1篇の中に彼ら2人の半生が語られる。寛政期にあって、オオトリテの末端に位置する庄兵衛と全てを失いつつわずか200文で充足を語る喜助。「知足」を語ったかに見える本編だが、ことはさほどに単純ではない。何故なら、事件は喜助が語るだけであり、真相はとうとう語られることがないからである。喜助の語る通りであったかも知れず、また巧みに語られた弟殺しであった可能性も捨てられ⇒

  • 馨 さん

    中学時代ぶりに読了。きっかけはエレカシ宮本氏が曲にするほど鴎外を敬愛しているから。全作品読みましたが私にはまだ難しくピンとこない作品もあり力不足を実感してしまいました。大人になって読むと当時の時代背景から今では考えられないような一生を終える人たちがいた事に何とも言えない気持ちになりました。山椒大夫は悲しい中に最後少し希望が見えるのだけれども終わり方も巧でいつまでも引きずってしまう余韻があります。また子供側の壮絶な生活は描かれてますが母親側の生活は描写がなく逆に残酷な過去を汲取れる描き方も上手い。

  • zero1 さん

    覚悟さえあれば殺人も解決方法になるのか?死を許しとして認めるべきか。ALS(筋萎縮性側索硬化症)での安楽死事件で思い出す作品の一つ。弟を殺した罪人の顔は、どこかスッキリしていた。やがてその男は事情を話し始める。文章は格調高く無駄がない。山本周五郎につながる?文豪と同時に医師でもあった鴎外だからこそこの作品には重さと説得力がある。中学の国語教科書にも採用されているが、今の中学生は命と安楽死について、どう考えるのだろう。また100年後の日本人はこの作品をどう解釈するのか。山椒大夫については別の機会に述べたい。

  • ケイ さん

    既読の有名な作品だけ先に再読、初見の散文のような短編四つは後で読んだ。有名作品の良さには改めて感動するとともに、鴎外の人間に対する洞察力や情感、美しいものの感じ取り方と、人間の本質を見る哲学者のような視線との二つの性質を感じ、その感じについて「妄想」を読んで納得した。彼は、情に厚く、弱き者にも優しく、真の美しさを読みとる目を持っているが、情に流されない強さを、言い換えれば薄情にも感じられる距離感をもって物事を見られるのだと思った。そして文章がとてつもなくうまい。折に触れて再読したい短編集だ。

  • ゴンゾウ@新潮部 さん

    明治時代の小説家と軍医として官僚としての顔を持つ森鷗外。彼のドイツ留学を経て思想が伺える「妄想」や友人との交流を描いた「二人の友」は彼の人間性を知ることができる。弟殺しの罪を潔く受け止める男を描いた「高瀬舟」父を救うために命を捧げる娘を描いた「最後の一句」幼い弟を命を懸けて守った姉を描いた「山椒大夫」とてもよかった。

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森鴎外

本名森林太郎。1862(文久2年)に、石見国鹿足郡津和野で生まれる。本来は津和野藩亀井家の14代典医となるはずだが、時代が明治となって、典医だった森家は没落。大学卒業後、陸軍軍医となって、陸軍省派遣留学生として4年間ドイツに留学。帰国後は小説家・評論家・翻訳家として文学活動を盛んに行なう。また陸軍で

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