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足利直義兄尊氏との対立と理想国家構想

森茂暁

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784047035546
ISBN 10 : 4047035548
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
森茂暁 ,  

Content Description

南北朝の動乱期に、武力によらない仏国土の理想郷を目指した足利直義。兄尊氏とともに室町幕府の基礎を築いたにもかかわらず、最期は兄に毒殺されたとも伝えられる悲劇の人物の政治・思想・文化に迫る。

【著者紹介】
森茂暁 : 1949年、長崎県生まれ。九州大学大学院博士課程中途退学。福岡大学人文学部教授。文学博士(1985年九州大学)。専門は中世日本の政治と文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • keint

    足利直義について、人物像および二頭政治の実態とその破綻を多様な史料から考察している。特に和歌や宗教、絵画まで踏み込んだ思想の分析は著者の強みが発揮されている。政治や宗教にも鎌倉的保守性を帯びており、夭折した息子の誕生により政治的野心を抱いた直義という視点は今までなかったものである。

  • 邑尾端子

    著者は南北朝史の第一人者とも言うべき研究者であるが、本書には研究者としての学問的立場を超える足利直義への熱い思い、もっと彼の業績を多くの人に知ってほしい、もっと再評価してほしい、といった、まさしく「足利直義という人間には恋を感じました」ともいうべき情熱を感じた。かくいう私も足利直義に恋に近いような興味を抱く一人ではあるが。彼は「室町幕府を創った男」でありながら、また一方で鎌倉幕府の残滓を背負い続け鎌倉的な社会への回帰を志向し続けた人間でもあった。鎌倉時代の真の終焉は彼の死であったという筆者の言葉が印象的

  • BIN

    一時は兄である足利尊氏と二頭政治で主に政治面を担当し天下執権人とも呼ばれた足利直義。もともと尊氏は嫌いで直義の方が好みでよく知りたかったので本書を手に取った。自分の理想に燃えてそれを尊氏が指示していたころは良かったが、晩年に嫡男が生まれたことで野望が生まれて観応の擾乱に繋がったという説は面白い。また源頼朝の肖像が足利直義像だったという説についても解説があります。鎌倉幕府は直義の死で終わったという感は確かに感じられました。若干物足りないところもありますが、良作。

  • アメヲトコ

    足利幕府草創期の「副将軍」として活躍し、その後兄尊氏と対立して無念のうちに世を去った足利直義の評伝。発給文書の丁寧な分析から「二元政治」の構造を読み解くくだりには説得力がありました。後半部では先行研究に依拠しながら政治・宗教思想にも迫っており、多面的に直義像を描いた読み応えのある一冊です。

  • さとまる

    足利直義についてその事績と詩歌や宗教的活動からその内面を探る内容。前者は佐藤進一氏以来の二頭政治など今では少し古くなっている部分も見受けられるが、後者は夢窓疎石の説法を素直に受け取る尊氏と宋朝禅と比較して徹底的に追求しないと納得しない直義の比較など非常に興味深かった。

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