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迷走する民主主義 ちくま新書

森政稔

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480068811
ISBN 10 : 4480068813
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
森政稔 ,  

Content Description

戦後政治の根本的欠陥を清算するべく、民主党への政権交代はなされた。だが、政策の迷走や権力恣意的な運用により支持を失い、「改革の改治」は無残な結末へといたる。あとに残されたのは、自民党政権の圧倒的独走と、代表民主制への失望感だけだった―。政権交代とその後の政治はなぜ失敗したのか。その背景には、現代の世界的大変動のなかでデモクラシーが直面する困難がある。民主主義の意義と限界を思想的に問いなおし、日本政治の閉塞状況を打破するための条件を示す。

目次 : 1 民主主義の苦境(「民主主義の終わり」、それとも「民主主義の過剰」?/ 政治の対立軸はどこにあるか/ 資本主義vs.民主主義?)/ 2 政権交代と日本の民主主義(戦後日本政治のあゆみ―政権交代まで/ 政権交代とその後の政治/ 民主党政権の失敗―その政治思想的検討/ 民主主義とは何か―政治の多様な側面)/ 3 民主主義の思想的条件(「ポスト物質主義」の政治―その意義と限界/ 知の変容と民主主義/ 有限で開かれた社会へ)

【著者紹介】
森政稔 : 1959年生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。筑波大学社会科学系講師などをへて、現在、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授。専攻は政治・社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 1.3manen

    専門家vs.市民(270頁〜)。市民も科学や経済、法律などに関する基礎知識を有することが複雑な社会で政治判断を誤らせないために、いっそう必要。科学知を市民向けに解説するインタープリターの役割が重要。市民として有すべき、専門知とは性格の異なる実践知が要請される(275頁)。秘密が守られるためには、何が秘密で、その存在そのものが隠されることが必要。公開と秘匿の逆説(311頁)。個人化と全体化は相互に依存し合って進行していることに着目する必要がある(315頁)。

  • Miyoshi Hirotaka

    専制君主から権力を奪取した一瞬を除けば、民主主義は迷走を続けている。19世紀には民意により黒人が家畜扱いされ、黄色人種は殺戮された。20世紀には模範といわれたワイマール憲法から天才独裁者が出た。それでもスターリンや毛沢東に比べれば、犠牲者の桁数が少ない。「民主主義は最悪の政治。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」はチャーチルの達観。民主主義は、正義、公正、他文化配慮、環境などによりこれまでにないほど制約されている。しかし、それこそが民主主義の暴走を防ぎ、可能性を広げるものだ。

  • 呼戯人

    民主党は何故失敗したのか?この問題をめぐる日本の政治状況に関する考察。現在は、新自由主義と国粋主義のアマルガムで政権運営がなされているが、この新自由主義というのは最悪の経済思想だと思う。民主主義とは相いれないし、99%の人々を切り捨てる。しかし、問題は切り捨てられる側の貧困層がこの新自由主義を支持するというパラドックスである。民主党政権はその点を見誤っていた。新しい社会民主主義を再生させることこそ現代世界の政治の課題である。

  • masabi

    民主主義とはつくづく責任の所在が不明確になる制度である。国会議員選出には国民の同意が不可欠だが、選出以後の行動には口を挟むことができない。かと言って国会議員が相応の能力を持っているわけでもない。この様々な要因が絡み合った状況をそれこそゴルディアスの結び目を解くような強権的なリーダーが望まれるのだろう。冷戦以後のイデオロギー対立が解消された世界で政党や政治家を区別する印はそれこそメディアの露出度や知名度しかないのだろうか。

  • だろん

    マニフェスト掲げ民主党への政権交代、この社会実験が大失敗に終わったことへの党の反省、メディアの検証もされないまま、やり過ごされようとしてる。都合の悪いものは見たくない民主党と、この社会実験を担いだメディアやオピニオンも頬かむり。各所で実害を被った国民の声の多くは、全国の有権者には未だ共有されてはいない。18歳まで選挙権が広がる訳だし、民主党の問題だけではなく、選挙の在り方、マニフェストの意義と…小泉のワンイシュー解散選挙も含め、今一度、ここの処の民主主義とその将来を熟考する機会にいい一冊だと思います。

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