からゆきさん 異国に売られた少女たち 朝日文庫

森崎和江

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022618740
ISBN 10 : 4022618744
フォーマット
出版社
発行年月
2016年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
258p;15

内容詳細

人気漫画家の今日マチ子さんが新装版カバーを描き下ろし!
衝撃の傑作ノンフィクションが復刊!!
500円で外国の娼館に売られた少女は、まだ恋も知らなかった。

〔概要〕
16歳で朝鮮に売られ、狂死したキミ。東南アジアで財をなし、壮絶な自殺を遂げたヨシ。ふるさとを思い、売られていった女たちが、異国の地で見た夢は何だったのか――。綿密な取材と膨大な資料をもとに、「からゆきさん」の軌跡を辿った名作が、新装版で復刊。解説は斎藤美奈子氏。

●歴史の闇に埋もれた少女たちを描いた、傑作ノンフィクション
「からゆきさん」とは、明治、大正、昭和の日本で、貧しさゆえに外国の娼館に売られていった少女たちの総称です。第二次世界大戦後、彼女たちの存在は「戦前日本の恥部」として一般に知られることはありませんでした。本書は、関係者への綿密な聞き取り調査、当時の新聞記事など膨大な資料調査をもとに、知られざるからゆきさんの真実に迫った感動のルポルタージュです。1976年に単行本として刊行され、1980年に文庫化した話題作が、文庫新装版で復刊します。

●装画は人気漫画家の今日マチ子が担当
可愛らしいタッチで、若い世代を中心に人気の漫画家、今日マチ氏。『cocoon』、『アノネ、』『ぱらいそ』といった「戦争シリーズ」のように、絶望の世界でひたむきに生きる少女たちを描いてきた今日氏が、21世紀のいま、からゆきさんに新たな息吹を吹き込んでいます。

●「格差社会」の今こそ読まれるべき良書
豊かになったとはいえ、新聞やテレビが連日のように貧困・格差の問題を取り上げている今日の日本。からゆきさんは決して「過去の話」ではなく、増加する派遣労働や非正規雇用、男女差別、地域による格差など、いま日本が抱える問題を考える上で、手がかりとなるはずです。

●解説の文芸評論家・斎藤美奈子も太鼓判!
「『からゆきさん』は、あらためて、21世紀のいまこそ読まれるべき本だといえましょう。40年前の森崎和江が私たちのカンテラであったように、本書が、性の商品化を、国際間、地域間の経済格差を、そして女性の生き方を考えるうえでの、大きな手がかりであることはまちがいありません」(斎藤美奈子氏の解説より)

〔著者略歴〕
1927年朝鮮慶尚北道大邱府(現韓国大邱市)生まれ。詩人、作家。17歳で福岡県立女子専門学校(現福岡女子大学)に入学するまで、植民地時代の朝鮮で過ごす。丸山豊らの詩誌「母音」に参加し、58年に谷川雁、上野英信らと雑誌「サークル村」を創刊。59年には雑誌「無名通信」を刊行。61年に初の単行本『まっくら』を出版。以後、『第三の性』『闘いとエロス』など、数多くの作品を発表する。著書に、『語り部の海』『森崎和江コレクション 精神史の旅』、中島岳志との共著『日本断層論』など多数。

【著者紹介】
森崎和江 : 1927年朝鮮慶尚北道大邱府(現韓国大邱市)生まれ。詩人、作家。17歳で福岡県立女子専門学校(現福岡女子大学)に入学するまで、植民地時代の朝鮮で過ごす。丸山豊らの詩誌「母音」に参加し、58年に谷川雁、上野英信らと雑誌「サークル村」を創刊。59年には雑誌「無名通信」を刊行。61年に初の単行本『まっくら』を出版(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • がらくたどん さん

    森崎氏を偲んで。相手のもとに足を運び場を自分が巻き込まれるところまで共有しながら話を聴くという聞き書きの体温感を残しながら、文献調査を堅実に盛り込んで研究書に近いノンフィクションに仕上げた力作。売られた先の朝鮮で余儀なくされた売春で精神を病んだキミ・「からゆき」OGとしての売春業を元手に事業を拡げて財を成し燃え尽きたように自死したヨシの人生から、貧しい村娘の暖かく放埓な気質が植民地政策の方や隷属民の不満の捌け口に、方や無策で入植させた者達の受け皿に利用されていく過程が驚くほどの距離の近さで描き出される。

  • やいっち さん

    ノンフィクション作家の森崎和江さんが2022年6月に急逝。ということで、代表作『からゆきさん』(朝日文庫)が緊急重版となったもの。原書は1980年に朝日新聞社より刊。だから吾輩も本書に気付いたようだ。

  • ネギっ子gen さん

    森崎和江さんを偲んで――。「から(唐)ゆきさん」は、戦前の九州で、貧しさゆえに外国の娼館に売られた少女たちのこと。彼女たちの存在は、「戦前日本の恥部」として一般に隠されていた。本書は、関係者への綿密な聞き取り調査、当時の新聞記事など膨大な資料をもとに、からゆきさんの真実に迫る記念碑的ルポルタージュ。「母は、“からゆき”だったのよ。売られた女よ。あなた、売られるということ、少しはわかった? 一代ですまないことなのよ。売られた女に溜まったものは、その子の代では払いのけられそうもないわよ、どこまでいっても」。⇒

  • Shoji さん

    ショッキングな副題通りの本です。天草は近世の頃も明治にはいっても、堕胎や殺児がなかったという。日本の村むらはどこでもそのような間引きをして人口を整えてきた。でもここはその風習がなかったという。そのため人口がふえすぎて、他国への出稼ぎ無しには暮らせぬ様になった、という。挙句、少女は何も知らぬまま売られて行く。「いんばいになるか、死をえらぶか、といわれたら、死ぬんだった。うちは知らんだったとよ、売られるということが、どげなことか」と少女に言わしめる。何たることよ。感想なんてない。ただ絶句した。

  • みち さん

    可愛い表紙なんだけれど、1980年に刊行されたものだったらしく、読みづらい文章でした。途中、昔の新聞をそのまま載せていたり、実際に取材しに行ったりして、からゆきさんについて、深く調べている様子が伺える。からゆきさん。とは「唐行きさん」→「外国に行くこと」→「海外に売られた日本女性」という意味。昔は貧しく、売られて行く女性が沢山いた。女性だけでなく、男性、子供、黒人もそうだった。人間社会も弱肉強食の世界だと思わずにいられない。貧富の差はあれど、人間同志助け合う。そんな世界になる事を切に望む。

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