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氷の轍 講談社文庫

桜木紫乃

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065337844
ISBN 10 : 4065337844
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan

Content Description

新たな刑事の名は、大門真由――
寒風吹きすさぶ釧路の海岸で他殺体が発見された。被害者は札幌の元タクシー運転手・滝川、八十歳。生涯独身で身寄りもなく、自宅からは北原白秋の詩集『白金之独楽(はっきんのこま)』が見つかる。先輩刑事の片桐とともに捜査にあたる真由は、孤独な老人が最後に縋ろうとした恋心を糸口に、事件を紐解いてゆく。

直木賞作家が放つ長編ミステリー、北海道警釧路方面本部シリーズ第2弾!
解説は本作をドラマ化した映画監督の瀧本智行氏!

24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』、第二弾『氷の轍』に続き、7月『起終点駅(ターミナル』、8月『霧(ウラル)』と続きます。

【著者紹介】
桜木紫乃 : 1965年北海道釧路市生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞し、’07年同作を収録した単行本『氷平線』でデビュー。’13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で第149回直木賞、’20年『家族じまい』で第15回中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • akiᵕ̈

    好きだなァ。桜木さんのこういう2時間ドラマにピッタリな人間ドラマ大好き。そう思ったら解説でこの作品が既に過去ドラマ化されていたと知る。釧路が舞台ということで、過去の複雑な血の繋がりが絡む殺人事件も、その広大でどこか物悲しい景色がまざまざと浮かび、物語に深みが増してくる。良かれと思い込んでいる善意というものが必ずしもその受け取る相手にとって善い事とは限らないという人の気持ちの難しさよ。刑事の大門真由が事件の真相を追う中で、自身の父親、母親との関係とも向き合って、2人の気持ちに寄り添う事が出来たのも良かった。

  • エドワード

    釧路の海岸で死体で発見された男性。八十歳、札幌のタクシー会社勤務。社員旅行の途中、彼はテレビで見た蒲鉾店の女性に会いに来た。釧路署の大門真由と片桐周平は二人の関係を探り、八戸へ赴く。女性刑事・真由の家庭の事情、思いがけない女性の生い立ち、母、姉の存在。物語が濃い。湿度が高い。鍵を握る北原白秋の「他と我」。松本清張、森村誠一を彷彿とさせる抒情的な推理小説だ。次第に解き明かされる真相。貧しく哀しい過去。「お互いを捨て合った母と娘にも、記憶の残らぬ姉と妹の間にも、美しい再会はないの」明るい結末は決して訪れない。

  • ふう

    まず嗅覚に訴えてくる。連日の捜査で着替えもままならない汗臭さ、魚市場独特の匂い、埃臭い資料室、雨の日のハーブティー、アロマの匂い袋。そして互いに名乗ることのない再会。情感豊かに悲しみと孤独が描かれる。刑事物もやっぱり桜木紫乃ワールド。月見楼や八戸劇場にはモデルがあるという。行ってみたい。

  • いっちゃん

    面白かった。賞を取るような作品ではないけど、とても桜木紫乃らしい作品。北原白秋の詩、ちりばめられた名言。ずっと読んでいたくなります。解説にあったのですが、映像作品予定で書き始め、予定がおして映像作品の脚本の方が原作より先仕上がらせたために、原作と犯人が違ったそうです。柴咲コウ主演の映像作品も見てみたいな。

  • けんけんだ

    「凍原」に続き北海道警釧路方面本部の女性刑事が主人公ですが、松崎比呂ではなく大門真由のお話。前作と同じく殺人事件の被害者の生い立ちを探っていくなかで、半世紀前から今に至るいろいろな人の人生が絡み合う。家族とは何か、人それぞれの生き方とは何か考えさせれながら犯人にたどり着く。この作家の警察小説もよい!

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