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ISBN 10 : 459117946X
Content Description
幼いころから石や自然が好きで野山をかけめぐった宮沢賢治。家業の質屋を継がずに高等農林学校へ進学、短歌や詩に熱中。法華経の影響を受け、やがて詩や童話を発表しはじめます。生きとし生けるものの幸福を願った宮沢賢治の20のことばとエピソード。
目次 : ほんとうのさいわいは一体何だろう。/ 自分を外のものとくらべることが一番はずかしいことになっているんだ。僕たちはみんな一人一人なんだよ。/ このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。/ きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。/ 人が道を求めないでいられないことはちょうど鳥の飛ばないでいられないとおんなじだ。/ ああ変化ある未来は測り兼ね、仮令悪く変るとしても面白いではありませんか/ かなしみはちからに、欲りはいつくしみに、いかりは知慧にみちびかるべし。/ ほんとうにおれは泣きたいぞ。一体なにを恋しているのか。黒雲がちぎれて星をかくす おれは泣きながら泥みちをふみ。/ はるきたりみそらにくもらひかるともなんじはひとりかなしまず行け。/ ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。/ 誰が許して誰が許されるのであろう。われらがひとしく風でまた雲で水であるというのに。/ おまえがたべるこのふたわんのゆきに わたくしはいまこころからいのる どうかこれが天上のアイスクリームになっておまえとみんなとに聖い資糧をもたらすように/ あいつはこんなにさびしい停車場を たったひとりで通っていったろうか/ いかりのにがさまた青さ 四月の気層のひかりの底を唾し はぎしりゆききする おれはひとりの修羅なのだ/ わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。/ なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地ないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ。/ 世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない/ 病んでいても あるいは死んでしまっても 残りのみんなに対してはやっぱり川はつづけて流れるし なんといういいことだろう/ 正しく清くはたらくひとはひとつの大きな芸術を時間のうしろにつくるのです。/ 雨ニモマケズ…(全文)
【著者紹介】
栗原敦 : 1946年生まれ。実践女子大学名誉教授。宮沢賢治学会イーハトーブセンター理事・代表理事を歴任、現在参与(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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