JR上野駅公園口 河出文庫

柳美里

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309415086
ISBN 10 : 4309415083
フォーマット
出版社
発行年月
2017年02月
日本
追加情報
:
181p;15

内容詳細

一九三三年、私は「天皇」と同じ日に生まれた――東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上野駅に降り立った男の壮絶な生涯を通じ描かれる、日本の光と闇……居場所を失くしたすべての人へ贈る物語。

著者
柳 美里 (ユウ ミリ)
1968年生まれ。高校中退後「東京キッドブラザース」に入団。役者、演出助手を経て、86年演劇ユニット「青春五月党」を結成。93年『魚の祭』で岸田戯曲賞、97年『家族シネマ』で芥川賞を受賞。著書多数。

【著者紹介】
柳美里 : 1968年生まれ。高校中退後、東由多加率いる「東京キッドブラザース」に入団。役者、演出助手を経て、86年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。93年『魚の祭』で岸田國士戯曲賞を最年少で受賞。97年『家族シネマ』で芥川賞を受賞。著書に『フルハウス』(泉鏡花文学賞、野間文芸新人賞)『ゴールドラッシュ』(木山捷平文学賞)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • bunmei さん

    現在と過去の出来事を交錯させながら、上野の街や人々様子も具に写しとり、言葉や文章も文学的な表現で彩られている。出稼ぎで家族とも離れた生活の中で、ホームレスとなった不遇な男の生涯を通して、そこはかとない悲しみと哀愁が漂ってくる。上野を舞台として、普通の人々の日常とホームレスの非日常を対比する中で、出稼ぎ、天皇制、日本経済の浮き沈み、家族との死別等を取りあげて、人生の光と闇を鋭く描写している。生まれた事が悪いのか?それとも運が悪いのか?社会の隅に追いやられた男の、悲痛な叫びが聞こえてくるヒューマンドラマ。

  • ponpon さん

    2020年全米図書賞翻訳部門受賞作。昭和8年福島県相馬市に生まれた男の生涯、そして上野公園でのホームレスとして国家および社会から疎外されつつ生きる末路を描く。そこに天皇制を絡め、日本社会における差別の問題を描こうとしたのだろうが、著者らしいアプローチだと思う。主人公は貧しい家庭に生まれ家族を養うために出稼ぎで何十年もの間、家庭を離れることを余儀なくされるなど苦労には同情するが、ホームレスになったのは自分の意思だったりと、なんとも理解し難いところも多い。頁数も多くないので、すぐに読み終わりました。

  • rico さん

    年に何回かは訪れる上野公園。近年整備が進みカフェなんかもできた。一方、たくさんあった段ボールハウスもその住人たちも見かけなくなった。彼らの傍を通るとき、目をそらしていた。存在を「ないこと」にしてた。彼らは確かにそこにいて、それぞれの人生を生きていたのに。彼もそこにいたのだろうか。出稼ぎ、家族の死、天皇家との縁と対比。着の身着のままでここにたどり着いた。故郷を襲った災厄は全てを押し流す。静かな彼の眼差しを感じた時、無自覚に公園を歩く私にも、この国のもう1つの姿と世界のよるべなさが押しよせてくる。

  • 神太郎 さん

    短くさらりと読める本だ。さらりと読める文体が作者の味なんだろうな。だが、内容はさらりとは言いがたい。天皇制というのももちろん根底にはあるかもだが、「東北からの出稼ぎ」「枠からはみ出した者」そして「震災」とそこら辺もキーワードたりえる。主人公の人生も報われない部分があり、読んでて辛い。出稼ぎでなかなか帰る場所にいれなかった。息子や妻に先立たれ、心の拠り所が完全に消失した。そして震災。主人公の立ち位置は原発で帰りたくても帰れなかった被災者の人たちとも被る部分があって著者はそこと重ねても描きたかったのか。→続

  • yoshida さん

    重く哀しい読書。南相馬の貧しい農家に生まれた主人公。成長すると家計の為、幼い弟や妹の為に出稼ぎに出る。小名浜や北海道。家庭も持ち、子も授かる。一層の仕送りが必要となり東京に出稼ぎに出る。本作は戦後復興、高度成長の裏面史の側面もあろう。また、原発が出来て出稼ぎしなくとも仕事が得れたが、震災により家族と故郷を喪った苦しみも描かれる。主人公には様々な悲運が重なる。気付けばホームレスとなる。私が同じような経験をしても、同じ選択はしないだろう。山狩りは都と国の政策で天皇行幸啓は名目だろう。妙に疑問も残る読後感。

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人物・団体紹介

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柳美里

1968(昭和43)年、茨城県生れ。高校中退後、「東京キッドブラザース」を経て、1988年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993(平成5)年、『魚の祭』で岸田國士戯曲賞、1996年、『フルハウス』で野間文芸新人賞、泉鏡花文学賞、1997年、『家族シネマ』で芥川賞、1999年、『ゴールドラッシュ

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