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海南小記 角川ソフィア文庫

Kunio Yanagida

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044083144
ISBN 10 : 4044083142
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2013
Japan

Content Description

南の島々にこそ日本文化の源流があるのではないか。大正九年、九州・沖縄諸島を旅した柳田は、歴史と現実との間を行き来しながら発見を繰り返す。日本民俗学における南島研究の意義をはじめて示し、最晩年の名著『海上の道』へと続く思索の端緒となった紀行文。

目次 : 海南小記(からいも地帯/ 穂門の二夜/ 海ゆかば/ ひじりの家/ 水煙る川のほとり/ 地の島/ 佐多へ行く路/ いれずみの南北/ 三太郎坂/ 今何時ですか ほか)/ 与那国の女たち/ 南の島の清水/ 炭焼小五郎が事/ 阿遅摩佐の島

【著者紹介】
柳田国男 : 1875年、兵庫生まれ。1900年、東京帝国大学法科大学卒。農商務省に入り、法制局参事官、貴族院書記官長などを歴任。35年、民間伝承の会(のち日本民俗学会)を創始し、雑誌「民間伝承」を刊行、日本民俗学の独自の立場を確立。51年、文化勲章受章。62年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • HANA

    沖縄旅行記と南島に関する論文を収録。後年語られる沖縄の宗教についてはあまり触れられておらず、伝説や人々の営みが中心となっている。論文は主に文化の伝播についてのものが中心。島の清水を巡る話、炭焼き長者伝説と鉱物を巡る話や蒲葵を巡る話等読んでいて面白くないものはなかった。後年書かれた「海上の道」に通じるテーマがいくつも出ているように思える。読んでいて思うのだけど、旅行記にしても論文にしても兎に角文章が美しいなあ。読んでいて一度だけ訪れた事のある沖縄の青い空や海に、もう一度引き寄せられるような気がした。

  • 翔亀

    【沖縄37】柳田国男が官吏を辞めて挙行した2か月にわたる沖縄旅行の紀行文プラス同時期の論考集。退官して満を持しての沖縄行きだったのだろう。1921年のこと。彼の沖縄と言えば最晩年の「海上の道」(1961)のイメージが強いが、意外に早くから沖縄に注目していたことを知る。ただ紀行文としてはどうだろうか。旅は大分県から始まり大隅半島の南端を経て、奄美大島、沖縄本島、宮古、八重山へと渡るが、九州南部の道程の興奮に比べると、沖縄の島々の描写は精彩に欠けるような気がしてしまった。自ら書いているように「常に一箇の↓

  • Sakie

    大正9年から東京朝日新聞記者として、九州、奄美、沖縄、八重山と訪れた連載記事を元にした紀行記。沖縄を移動しながら読むとシンクロが起きることもあって面白かった。島に人口が増え、生活が逼迫するごと、人は新しい島へと北上した。それが日本の起源と柳田翁は推論した。植物の繁茂するエネルギーは凄まじいが、人間の食をまかなうには限度があると肌で感じた。内地で蒲葵と呼ぶ木は島ではクバ、古名はアヂマサ。白く晒して団扇や笠などに編んで上納したという。島では御嶽で大切にされる、信仰と切り離せない植物。低いヤシの木みたいだった。

  • roughfractus02

    官庁を退職した著者は、南九州から南下して奄美、沖縄、石垣を巡った際に朝日新聞に連載した記事を、国際連盟の仕事で世界政治を見た4年後にまとめた。サツマイモの呼称を辿り島々の民俗を記す本書は、島の女性の入れ墨を本土のお歯黒と比較するが、島のノロやユタ(巫女)と本土の男性神主の宗教政治的な比較はせず、政治色を抑えるようにも見える。が、本土の修験で神聖な風を起こす扇に用いるビロウなる植物の葉が、沖縄で御嶽(ウタキ)や拝所(ウガン)にあるクバであるのを見る著者は、日本の信仰が南方由来であるとする自説を確認している。

  • Naoko Takemoto

    タイトルにひかれて書店で手に取り、パラッとめくったら思い出深い旅行地である飫肥、油津のエピソードが目に入ったので購入した。昔の学術本なので文体が読みづらいし、読めない漢字すらあって、正直拾い読みに近かったかも知れない。それでも柳田先生のライフワークである昔語りを織り交ぜながら、南九州から沖縄、波照間に至るまでの滞在記として楽しめたし、新しい知識を得ることができた。次に南海に行くときは本書を持参したい。沖縄組踊りを観にいきたいなあ。

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