えた非人 社会外の社会

柳瀬勁介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309226897
ISBN 10 : 4309226892
フォーマット
出版社
発行年月
2016年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
168p;20

内容詳細

被差別部落の歴史を初めて書いた歴史的名著をついに現代語訳で!肉食のタブーは、日本中にケガレ意識を蔓延させ、皮革生産に携わる人、埋葬にかかわる人、刑の執行とその後片付けをする人びとを貶め、差別した。かような日本史をつらぬく「賎民意識の構造」を初めて鮮明に描いた、今もっとも読まれるべき伝説の書を、研究の第一人者が現代のことばで甦らせる!

目次 : 第1章 「えた」の名称(「えた」という名称の意義/ 「えた」の異名)/ 第2章 「えた」の起源(総説/ 餌取/ 外国渡来の民/ 内国の俘虜/ 落魄者/ 犯罪/ 雑種)/ 第3章 「えた」の状態(「えた」の地位/ 「えた」の風俗/ 「えた」の信仰と道徳/ 「えた」の人口と出生率)/ 第4章 「えた」排斥の原因(ケガレを忌む風習とその変遷/ 肉食の風習とその変遷)/ 第5章 救済策

【著者紹介】
柳瀬勁介 : 1868年、福岡県直方市植木生まれ。17歳の折、隣村の小学校で教鞭を執る。東京法学院、日本法律学校で法律を学んだ後、前人未踏の「部落の歴史」の仕事にとりかかり、原稿を完成させた後にそこに書いた部落民救済策を実行に移そうと台湾に渡り、台湾総督府に勤める。当地で赤痢にかかり、その原稿を九州の同じ塾に学んだ友人権藤震二に託すが、刊行を見ずに1896年に病没した

塩見鮮一郎 : 1938年、岡山市生まれ。作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ショア さん

    百年以上前に書かれ2016年に現代語訳。明治維新後も新平民として差別を受け続ける穢多非人の現状に疑問を感じ、独力でその歴史と排斥の原因を調査した明治の若者の著。 えたを排斥した原因は仏教伝来とその妄信に関連。太古よりケガレを忌み嫌う風習があったが仏教により日常的にケガレ排斥思想が蔓延。さらに殺生も忌み嫌われ畜肉・皮取りを生業にする穢多の人々を排斥する原因に。長年にわたり日本社会から隔離され部落による孤立社会を形成し道徳、知識、品格、話し方まで孤立してしまった。小中教育に取り入れが方が良い。

  • 今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン さん

    表紙だけ見て、訳?訳ってなに?何語から訳したの?としばらく頭グルグル。明治の時代にいまだ救済されていない被差別民のために台湾に被差別民の移住を志した著者の物語。肉食への忌避が被差別民を産んだというのは周知のことであるけど、その変遷がそう長くもないテキストにわかりやすくまとめられていた。平成もまもなく終わるかというこの時期に80歳の体に鞭うって本書を世にだした訳者の思い、差別は姿をかえて存在し続けるということ、多くの人が本書を手にとってくれればいいと思う次第。

  • イトノコ さん

    図書館本。著者は1868年生まれ。明治維新を経てもなお差別の残るえた=穢多についての稀覯本を現代語訳。/知識として知っていたのは、穢多は江戸時代に農民の下に置かれ、屠殺を生業とした事。本書で注目すべきは4章の排斥の原因。日本には古来より「穢れ」の概念があったが、仏教伝来により穢れの対象が拡大。屠殺や処刑が穢れとなり、それを生業とする人々が差別の対象となった。5章の救済策では穢多の新天地として領土の拡大を主張しており、時代を感じさせる。部落差別につながるテーマだと思うので、明治以降の問題についても知りたい。

  • 乱読家 護る会支持! さん

    百数十年前に柳瀬頸介により書かれた本の現代語訳です。 「仏教の迷信である肉食タブーが社会に醸成されていく中では、歴代の偽政者もそれを助長し、日本中にケガレ意識の蔓延を許した。皮革生産にたずさわる人や、人生の節目である、誕生や埋葬にかかわる人を「えた非人」として、おとしめた。武士に代わって犯罪人を収獄して刑を執行し、そのあとかたづけまでする者を四足動物に見立てた。そのような日本史をつらぬく「賎視意識の構造」」。 かつて、日本人が持っていた、この差別意識について、ちゃんと学校で教えているのやろうか?

  • メイロング さん

    明治とは思えない先見的な視点。立派な研究者の労作で、タイトルや内容から奇書扱いはかわいそう。昨今の医療従事者差別も根本は同じで、ひとつ差別問題がクローズアップされると、それを触れてはいけない問題として棚の上において、「はい、問題解消」としてこなかったろうか。「このパターン前にもあったな」と自覚して問題を未然に防いだり、前に失敗したのと別の方法で解決を試みたりするのが、歴史を学ぶってことだと思っています。河出文庫から出たらいいのに。

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柳瀬勁介

1868年、福岡県直方市植木生まれ。17歳の折、隣村の小学校で教鞭を執る。東京法学院、日本法律学校で法律を学んだ後、前人未踏の「部落の歴史」の仕事にとりかかり、原稿を完成させた後にそこに書いた部落民救済策を実行に移そうと台湾に渡り、台湾総督府に勤める。当地で赤痢にかかり、その原稿を九州の同じ塾に学ん

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