自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く 角川ソフィア文庫

松本敏治

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784044006204
ISBN 10 : 4044006202
フォーマット
出版社
発行年月
2020年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
288p;15

内容詳細

「今日の健診でみた自閉症の子も、お母さんバリバリの津軽弁なのに、本人は津軽弁しゃべんないのさ」―津軽地域で乳幼児健診にかかわる妻が語った一言。「じゃあ、ちゃんと調べてやる」。こんなきっかけで始まった「自閉症と方言」研究は10年に及び、関係者を驚かせる結果をもたらすものとなった。方言の社会的機能を「意図」というキーワードで整理するなかで見えてきた、自閉症児のコミュニケーションの特異性に迫る。

目次 : 自閉症は津軽弁をしゃべんねっきゃ/ 北東北調査/ 全国調査/ 方言とは/ 解釈仮説の検証/ 方言の社会的機能説/ ASD幼児の方言使用/ ASDの言語的特徴と原因論/ 家族の真似とテレビの真似/ ことばと社会的認知の関係/ かず君の場合/ 社会的機能仮説再考/ 方言を話すASD/ 「行きます」コミュニケーションと意図

【著者紹介】
松本敏治 : 1957年生まれ。博士(教育学)。公認心理師、特別支援教育スーパーバイザー、臨床発達心理士。1987年、北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。1999年、博士号取得(教育学)。1987〜1989年、稚内北星学園短期大学講師。1989〜1991年、同助教授。1991〜2000年、室蘭工業大学助教授。2000〜2003年、弘前大学助教授。2003〜2016年9月、弘前大学教授。2011〜2014年、弘前大学教育学部附属特別支援学校長。2014〜2016年9月、弘前大学教育学部附属特別支援教育センター長。2016年10月より、教育心理支援教室・研究所『ガジュマルつがる』代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ゆいまある さん

    自閉症は方言を話さない。当たり前である。TVのアナウンサーのような言葉を使うって教科書に書いてあるじゃろ、と、思考停止してはいけない。何故方言を使わないのか。相手と距離を置きたいからか、発声に個性があって発音しにくいのか。10年かけて研究する内、方言とは何か、言葉とは何かというテーマに突き当たる。人は言葉を獲得する時、同じ物を見ているのである。同時に見ている物を表す言葉が名詞になるのである。感情を共有しない者は、TVなどから一生懸命学習する。じゃりン子チエを字幕付きで見ればきっと関西弁も喋れるようになる。

  • はっせー さん

    多様性や言語について考える人におすすめの本になっている!松本さんと奥さんの会話で自閉症の子は津軽弁を話さないというテーマになった。そこから松本さんが自閉症や方言について調べてまとめたのがこの本になっている。自閉症の子は言葉を親から学ぶのではなく映像などから覚える。それも丸暗記で。そのためそこに流れている言葉こそ標準語のため方言を覚えられない。また方言の社会性に関しては平野啓一郎さん『私とは何か個人から分人へ』という本と相性がいいような気がする。そのためこの本とともに平野さんの本も読むと面白いと思う!

  • しいたけ さん

    そもそも、本でも触れられているように自閉スペクトラムの中でも濃淡やら厚薄やら千差万別ひと其々である。その中で現場では、サンドウィッチ解体して並べるよね〜、皮膚感覚で服選ぶよね〜、絆創膏大好きだよね〜、狭い弁当屋のモーター音耐えられないよね〜、と認識しあう。その一つが「方言を話さない」なのだろう。診断名は単にサービス供受の便利性のため。一人一人のためにどんな関わりをすればより良く生きられるかを考える現場で、なぜ津軽弁を話さないのかとの理論や根拠を欲しているだろうか。専門のトリビア的な面白さとして読んだ。

  • ホークス さん

    元本は2017年刊。自閉的傾向のある自閉スペクトラム症は脳の器質的な特性で、定型発達者とは発達の過程が違う。本書は「方言を話さない」彼らの特徴を研究し、脳と心で何が起こっているかに迫る。一般に言われる、「他者の意図を読み取る機能に弱さがある」とは具体的にどういう事かイメージしやすい。文章は易しいけど、手順をしっかり踏む所は研究報告に近い。気やすめも言わない。それが本書の誠実さ。会話の輪に入るのが苦手な私も含め、「傾向を持つ人」は3割ほどになるだろう。多くの人に読まれ、理解が進むと良いなと思う。

  • アナーキー靴下 さん

    タイトルまま、な本で、とても興味深く面白く読めた。文章や話の持っていきかたが丁寧で、データもふんだんに載せてくれている。実例としてあげられているのは聞き取り調査が大半ながらも、意図、背景、状況等の説明が親切で、物足りなさはまったくない。ただ、奥さんとの夫婦喧嘩を掴みとしてもってくるところは「やる夫で学ぶ」みたいな、わかりやすくもあざとい印象を受けた。また「普通の人」の定義が前時代的というか、方言が通用するようなローカルな社会での忖度コミュニケーションぽいのも気になった。私の身近だと一般化できない例だなと。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

物理・科学・医学 に関連する商品情報

おすすめの商品