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雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

東畑開人

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041148877
ISBN 10 : 4041148871
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2024
Japan

Content Description

こころのケアははじめるものではなくて、はじまってしまうものである。
つまり、自主的に、計画的に、よく考えて契約書にサインしてから開始するものではなく、受け身的に、期せずして、否が応でも巻き込まれてしまうものです。
よく晴れた休日に散歩に出かけたら、突然大雨が降ってくるようなものです。
そういうとき、僕らは当初の予定を変更して、とにもかくにも雨宿りをできる場所を探したり、傘を買ったりしなければいけなくなります。

同じように、ある日突然、身近な人の具合が悪くなる。
子どもが学校に行けなくなる。パートナーが夜眠れなくなる。老いた親が離婚すると言い出す。部下が会社に来なくなる。あるいは、友人から「もう死んでしまいたい」と連絡が来る。
突如として、暗雲が立ち込める。
どうしてそうなったのか、なにをすればいいのか、これからどうなるのか、全然わからない。
でも、雨が降っていて、彼らのこころがびしょ濡れになっていることだけはわかります。
そのとき、あなたは急遽予定を変更せざるをえません。とにもかくにも、なんらかのこころのケアをはじめなくちゃいけなくなる。
傍にいるのがあなただったからです。その人があなたの大事な人であったからです。
ある日突然、あなたは身近な人に巻き込まれて、雨の中を一緒に歩むことになってしまう。
こういうことがどんな人の身の上にも起こります。
人生には、こころのケアがはじまってしまうときがある。

ですから、突然の雨に降られている方々に向けて、あるいは長雨の中で日々を過ごしておられる方々のために、心理学の授業をしてみようと思います。
雨が降ったら、傘をさすように、こころのケアがはじまったら、心理学が役に立つと思うからです。
(まえがきより)

【著者紹介】
東畑開人 : 1983年東京都生まれ。専門は、臨床心理学・精神分析・医療人類学。京都大学教育学部卒業、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。精神科クリニックでの勤務、十文字学園女子大学で准教授として教鞭をとった後、白金高輪カウンセリングルーム主宰。博士(教育学)・臨床心理士・公認心理師。2019年『居るのはつらいよ―ケアとセラピーについての覚書』で第19回大佛次郎論壇賞受賞、紀伊國屋じんぶん大賞2020受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ネギっ子gen

    【こころのケアは“はじめる”ものではなくて、“はじまってしまう”ものである】臨床心理士による、ケアする人が元気でいるため本。こころのケアの本質や、日常で使える「きく技術」「おせっかいの技術」を紹介。巻末に「もっと勉強したい人のためのブックガイド」。<雨が降ったら、傘をさすように、こころのケアがはじまったら、心理学が役に立つと思う/あ、でも、晴れた休日に読書を楽しもうとしている方も、もちろんウェルカムです。長い人生、いつ雨が降るかわかりませんし、折り畳み傘を鞄の中に入れておいても、損はありませんよね>と。⇒

  • えんちゃん

    何かで紹介されていた人気本。予約してかなり待ちました。こころのケアが始まったら読む本。著者は有名な心理学者とのことで、5日間にわたる講義をまとめたもの。人の気持ちには晴れの日と雨の日があり、同じケアでは対処できない。ケアする人にもケアが必要。お金・人力・一緒に喜ぶ・決める力・承認・仲間。実例というよりも心持ちを説いている学問書の感じでしょうか。読みやすいのに私には難しすぎました。

  • 本詠み人

    東畑先生の新刊✨️雨の日のケアの本質が描かれている。ケアとは傷つけないこと。今の職場での人間関係に悩んでいたので、人を傷つけないという当たり前の前提が、今の社会になく、人間関係に傷つく人が多いことや「わかる」と「かわる」こころの変動とか、とても分かりやすい内容だった。こちらに語りかけるようなあたたかな文体も、これが元々オンラインの講義だったことを知り納得。助かるおせっかいができるよう努力したいし、相手も自分も傷つけない関係を新たな職場では築いていきたい。

  • pirokichi

    臨床心理学者の著者による素人のための「こころのケア教室」。5日間の講義形式で、毎回講義の最後には質疑応答がある。「雨の日」とは「こころが雨の日」のこと。ケアとセラピー、エロスとタナトス、PSポジションとDポジション、転移と逆転移など適度に専門的で親切でわかりやすく、読後何となくゆる〜っと楽な気もちになった。「僕らはケアの中を泳いでいます。つまり、つながりの中で生きているということです」。母の介護で帰省するたび、父と必ず口喧嘩してしまうのだが、その理由がちょこっとわかる気がしたので、次回はうまくやれるかも。

  • akiᵕ̈

    臨床心理士である著者が行ったオンライン授業の内容が書籍になっているというだけあって、こころのケアの指南が砕けた感じで語られている。こころの状態を晴れの日、雨の日と例えている所は分かりやすい。同じ言葉をかけても、晴れの日の状態と雨の日の状態とでは、その受け取り方が違うという事を理解しておく事が大前提。相手に1人じゃないと思わせる繋がりの力であったり、相手の立場を想像する力を身につけておく事がポイントになってくるかな。案外相手を癒す中に自分が癒されていく、そんな風な繋がりが持てたりするのもケアにはあるかも。

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