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藤原定家 「明月記」の世界 岩波新書

村井康彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004318514
ISBN 10 : 4004318513
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『新古今和歌集』や『小倉百人一首』の選者として知られる歌人藤原定家は、果たしてどのような日常を送っていたのか。青年期から生涯にわたって綴られた日記『明月記』を詳細に読み解くことで、宮廷での公務の心労、人間関係の軋轢、家長としての重圧と苦悩、息子たちへの思い、など、生身の定家の姿を浮かび上がらせる。

目次
序章『明月記』とは

第一章 五条京極邸
1 五条三位
2 百首歌の時代

第二章 政変の前後
1 兼実の失脚
2 女院たちの命運
3 後鳥羽院政の創始
4 定家「官途絶望」

第三章 新古今への道
1 正治初度百首
2 和歌所と寄人
3 終わりなき切継ぎ
4 水無瀬の遊興
コラム◆熊野御幸と定家

第四章 定家の姉妹
1 定家と健御前
2 俊成の死
3 俊成卿女と源通具

第五章 除目の哀歓
1 居所の変遷
2 除目の「聞書」
3 官途「無遮会(むしゃえ)」
4 「為家しすへむ」―「名謁」の効用
コラム◆日吉社と定家

第六章 定家の家族
1 定家の妻
2 定家の子供たち

第七章 「紅旗征戎非吾事」
1 八座(さんぎ)八年
2 院勘を受く
3 承久三年の定家
4 一条京極邸
5 院との訣別

第八章 庄園と知行国
1 御子左家の家産形成
2 知行国主為家
コラム◆庄園を歩く

第九章 子供たちの時代
1 光家と定修
2 因子と為家
3 為家の家族
4 為家と関東

第一〇章 嵯峨の日々
1 嵯峨中院山荘
2 小倉百人一首


系 図
基本史料・参考文献
あとがき

章扉写真説明
『明月記』年表

【著者紹介】
村井康彦 : 1930年山口県に生まれる。1958年京都大学文学部大学院博士課程修了。専攻は日本古代・中世史。現在、国際日本文化研究センター名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    私は堀田善衛さんの定家明月記私抄を読んだことがありますが、このような本とはことなり定家に焦点をあてて書かれたものだという気がしていました。ですのでこの本のように本格的にこの日記を分析されてその日常の様子がわかります。また当時の殿上人の生活がどのようなものか、定家がどのような気持ちを持っていたかをうかがい知ることができました。

  • まーくん

    国文学などには全く縁遠い理系出身のわたしは藤原定家の『明月記』というと、まず超新星爆発が思い浮かぶのだが…。『新古今和歌集』や『小倉百人一首』の撰者として知られる稀代の歌人が18歳から74歳まで56年間にわたってつけたと思われる極私的な日記。この難解として有名な公家日記を御年90歳を超える碩学が定家のことを”骨の髄”まで知り尽くす気持ちで読み込んだという。平安末から鎌倉初期に生きた一人の自己中心的な中級公家定家の日常を追い、その喜怒哀楽を読む。ひたすら自身の出世を願い、一喜一憂する姿は何とも俗で正直。⇒

  • 六点

    『新古今和歌集』を編み、『小倉百人一首』を創り、膨大な数の古典を書写し、現代まで伝える基礎を築いた本邦国文学史上の巨人、藤原定家の日記『明月記』を読み解き、その実像に迫った一冊である。「自己中」でありながら、出世のため、権門勢家の為に馳走し、家産経営に苦心し、思い通りに行かぬ子育てに懊悩し、「歌道の家」確立を成し遂げた天才の、余りに人間的な姿に「偉い人はエライ」と言う中部地方の成句を思い浮かべた。初学者にもそれなりの質の学術を提供するという意味では、新書の機能として十全であるなあ、と、思った事であるよ。

  • パトラッシュ

    百人一首や新古今の撰者として知られる藤原定家だが、その生涯については何も知らなかった。本書で語られる出世志向の強い自己中で昇進を願って猟官運動を繰り返し、後妻の子を寵愛して前妻の子を差別し、後鳥羽院に振り回されながら歌道発展に尽くす姿は実に生臭い。特に居宅の変遷や財産の形成、北条執権家との意外なつながりなどは公卿らしい巧みな立ち回りすら感じさせた。90歳でこれだけの本を出した著者の力量には感嘆する。ただ彗星や超新星爆発に関する記述など、明月記の天文学方面で有名な部分について一言もないのは歴史学者の限界か。

  • tamami

    藤原定家といえば『小倉百人一首』や『新古今和歌集』の選者として、あるいは和歌の家である冷泉家の祖として知られたお公家さん、という印象が強い。本書では、鎌倉時代の中級公家であった定家が書き記した『明月記』を通して、当時の時代相を背景に、「和歌」という一事につらなる彼の生き方と家族や知己との関わり、当時の公家社会の日常が生き生きと描かれる。これまでの定家像、また公家社会観が一新される思いを抱きつつ、幸せな読書の時間を過ごすことができた。著者の村井さんは、同じ新書の前作『出雲と大和』を読んだ時にも、歴史を見る→

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