街とその不確かな壁 上巻 新潮文庫

村上春樹

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101001784
ISBN 10 : 4101001782
フォーマット
出版社
発行年月
2025年04月
日本
追加情報
:
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内容詳細

十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰を下ろし、街≠ノついて語り出す――それが物語の始まりだった。高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。そこに本当のきみ≠ェいるという。〈古い夢〉が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児(ルビ・えにしだ)の葉、角笛と金色の獣たち。だが、その街では人々は影を持たない……村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。

【著者紹介】
村上春樹 : 1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『スプートニクの恋人』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)などがある。2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、オコナー国際短編賞、’09年エルサレム賞、’11年カタルーニャ国際賞、’16年アンデルセン文学賞、’22(令和4)年チノ・デルドゥカ世界賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • シナモン さん

    あまり読まない村上春樹さん。読書の秋だし!と挑戦。なかなか物語のなかに入り込めなくて苦労しました。壁の中と外。虚構と現実。影。 静かでふわふわとした読み心地を味わいながら下巻へ。

  • ふう さん

    静かで、モノトーンの映像を思わせるような物語でした。明るい色は薪ストーブの炎だけ。街を囲む壁や人から離れた影の存在が意味するものが何か、(上)ではまだよくわかりませんが、惹き込まれて、物語の中で主人公の隣をいっしょに歩いているような気持ちで読んでいました。村上作品の中で、わたしはよく迷子になるのですが、今のところは大丈夫。

  • nobi さん

    1頁目から「沈黙の奥から」見つけてきたような美しい言葉の連なりが心に沁みる。彼女との逢瀬も手紙のやりとりもファンタジック。直前に読んだガルシア・マルケスが描く殺傷口論不満諦め満載のリアルな日常とのなんという違い。とは言え“影”は肉体なのか、それを失った者の夢なのか非現実なのか、不確かな壁の中の街をあまりに長く彷徨い過ぎでは、という落ち着かない気分もあった。漸くそこを抜けて現実の世界に戻ったような展開にほっとしたのも束の間、不穏な影が見え隠れする。その不穏さ含めて、半ば夢のような世界が続くものと思っていた。

  • Vakira さん

    細胞は膜(壁)があることで生命に必要な物質が逃げ出すことを防ぎ、それによって魂を保有することが出来る。外部と隔たる膜がなければ僕らは僕らという形を保てない。そして、生命意思を持つことが出来なかったのだ。さて、春さんの長編最新作が文庫となりました。大好きなコボさんの芥川賞受賞作の題名は「壁」でした。「壁がいかに人間を絶望させるかというより、壁がいかに人間の精神のよき運動となり、人間を健康な笑いに誘うかということを示すのが目的でした」と、コボさん談。では、春さんは?如何に〜?と思い、読順変更して読む事に。

  • 歩行者天国 さん

    文庫で再読。単行本の読了からさほど経っていないので比較的すんなり読めました。第一部は静寂の世界と言えるくらいに淡々と実際の世界と壁の中の世界の話しが交互に語られます。淡い色の世界という感じです。第二部はカラフルです。淡から濃へと転じるおみごとな組立てなのです。記憶が薄れている部分もあって、ワクワクしながら下巻を読めそうです。

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村上春樹

1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。 1979年、『風の歌を聴け』でデビューを飾り、群像新人文学賞受賞。

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