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彼岸花が咲く島 文春文庫

李琴峰

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167922467
ISBN 10 : 4167922460
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan

Content Description

彼岸花が咲き乱れる砂浜に流れ着いた少女は、宇実と名付けられる。その島では二つの言語が話され、「ノロ」と呼ばれる女性に統治されていた。宇実は同じ年ごろの游娜、その幼なじみの拓慈と共に過ごすうち、島の深い歴史に導かれていく―。言語・性別などの既存の境界線を問い直す世界を描いた、芥川賞受賞作

【著者紹介】
李琴峰 : 1989年、台湾生まれ。作家・日中翻訳家。2013年来日。早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。17年『独り舞』(原題「独舞」)で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、デビュー。19年『五つ数えれば三日月が』で第161回芥川龍之介賞、第41回野間文芸新人賞の侯補になる。21年『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨新人賞受賞、同年、『彼岸花が咲く島』で第34回三島由紀夫賞候補、第165回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ふう

    彼岸花の咲く小さな島に流れ着いた少女(宇実)と島の少女(游娜)の出会いから、伝説のような物語が始まります。南のかの島が舞台と思わせるようなおおらかで呪術的な雰囲気をまとい、ひのもとのことば、ニホン語と女語、少し皮肉にも思える3つの言葉の関わりが島の歴史を紐解いていきます。物語は過去のことではなく、どうやら未来のこと。男がなぜ島の歴史を知らされないのか、急ぎすぎる説明に、知らないというだけで男たちが平和的な存在であり得るのか疑問でしたが、宇実と游娜のたどり着いた答えが、困難でも理想であり希望だと思いました。

  • ALATA

    海のかなたから流れ着いた少女は記憶を失っていた。そこは女性が統治する謎の島。マチリが終わり殺生の禁が解かれ、晴嵐たちの踊りが続いている。廻りが騒がしければ騒がしいほど、さびしさの波が押し寄せて息苦しくなることがある・・・プロローグから白いワンピース、真っ赤な彼岸花と色鮮やかな世界に誘われる。ニライカナイの楽園、ノロと呼ばれス歴史の語り部。幻想的な語り口で視るもの聴く者の心をとらえて離さない、不思議な感覚でした★4※著者は台湾の方で自由に日本語を操るという。李さんの語る「島」、独自の世界観がにじみ出ている。

  • piro

    彼岸花が咲く島に流れ着いた少女の成長を描く物語。社会におけるマイノリティの要素を散りばめながらも、その本質はマジョリティにも通じる、大切なものが込められた作品でした。楽園の様な島。でも終盤に明かされる島の過去が重く突き刺さります。何が正しいのかはわからない。でも考えて、正しいと思うことをすればいい。島がいつまでも平和であるために…。そして考えるために必要なのは言葉だ。現在の世界が混沌として危ういものだけに、真摯で優しい思いが込められたこの作品に清々しい光を感じました。

  • だい

    李琴峰さんの第165回芥川賞受賞作品で独特な世界観で物語が進みます。 彼岸花の咲き乱れる島の砂浜に流れ着き記憶を失った少女(宇実)は島の少女と少年と出会います。少女は島の儀式を経て島で使われる二つの言語と島の深い歴史を知り、読者もこの不思議な世界観の意味を悟ります。 そしてエンディングの清々しさに、命の重さと歴史の奥深さに、人間の罪深さについて考えさせられます。

  • JKD

    奇妙な言語と独自の文化を持つ名もない島に1人記憶を失くしたまま漂着した宇美は島民の游娜に救われ、島での生活を始めることになる。やがてノロと呼ばれる女性権力者による統治の理由や、ノロのみが知る女語、島の歴史などの核心に触れ、島の意義を理解した宇美はノロとして生きる決意をする。前半は難読語ばかりだが、後半からは文章も普通になって難読ストレスから一気に解放される。歴史が語られるシーンから状況が一変し、ずっと鳥肌状態。しがらみの間に挟まれる壁の苦しみか、曖昧さによる自由か、いろいろ考えさせられる物語でした。

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