基本情報
内容詳細
“朝鮮のラストエンペラー”李垠は、大日本帝国陸軍の士官学校に学び、日本皇族・梨本宮方子と結婚。そして、帝国陸軍の将校となるが…。あまり知られていないが、梨本宮方子は、李垠との結婚直前の一年間に綴った「日記」を遺している。これには、まだ十七歳だった方子が李垠を慕う素直な気持ち、ゆれる想いが書き込まれ、二人の婚姻は事実上、“政略結婚”ではなく“恋愛結婚”と呼ぶべきものだったことがわかるのである。本書第3巻では、李垠の陸軍中央幼年学校への入学から、方子との出会いと結婚までを詳細に追った。この間には、大正天皇と李垠の友情が、一時的に引き裂かれながらも、復活する姿が見てとれる。さらに李垠が、帝国陸軍の将校生徒となり、どんな友達との環境の中で生活し、いかなる勉強をし、どのような想いを抱いて陸軍将校へとなっていったかを、史料をもとに描き出した。
目次 : 序章 「日記」を読む―梨本宮方子女王「日記」と『徳寿宮賛侍室日記』(梨本宮方子女王の「日記」/ 『徳寿宮賛侍室日記』)/ 第1章 一九一二年、李徳恵翁主誕生―やがて時代は大正へと移る(宮中の「英国式フランス風」化/ 皇族男子たちの「高貴なものの義務」 ほか)/ 第2章 将校生徒李垠―陸幼本科の生活世界(陸軍特別大演習について―予科を卒業する李垠/ 大正二年八月、李垠は帰郷する ほか)/ 第3章 帝国陸軍青年将校 李垠―婚約直前の時代(陸軍士官学校に入校するということ/ 陸軍士官学校での李垠 ほか)/ 結章 李垠の嘉礼(李垠の「縁談」/ 李垠の結婚と高宗の死 ほか)
【著者紹介】
李建志 : 関西学院大学社会学部教授。専門は、比較文学比較文化・朝鮮文学朝鮮文化・表象社会論。1969年、東京都品川区生まれ。本籍は、韓国済州島。東京大学大学院総合文化研究科中退。韓国延世大学校大学院人文科学研究科国語国文学専攻中退。京都ノートルダム女子大学専任講師、県立広島女子大学(県立大学統合で県立広島大学)助教授・准教授を経て、現職。現在、京都市に在住。京都国際教会所属のプロテスタント信者でもある。主な受賞歴:「金素雲賞」(東大比較文学会、2009年。『朝鮮近代文学とナショナリズム』および『日韓ナショナリズムの解体』に対して)。「国基研 日本研究特別賞」(国家基本問題研究会、2020年。『李氏朝鮮 最後の王 李垠』第1巻・第2巻に対して)。留学歴:1997〜2000年、韓国延世大学校人文大学国語国文学科博士課程。2019年度、台湾淡江大学外国語文学院日語日文系客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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