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馬の世界史 中公文庫

本村凌二

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122058729
ISBN 10 : 4122058724
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2013
Japan

Content Description

馬は、人間社会のなかで、多種多様な役割を担わされてきた。太古には狩猟の対象になり、やがて車を引き、人を乗せ、人間の世界に深く入りこんだ。人が馬を乗りこなさなかったら、歴史はもっと緩やかに流れていただろう。戦争、交易、世界帝国…、馬から歴史を捉え直す。JRA賞馬事文化賞受賞作。

目次 : プロローグ―もし馬がいなかったら、二一世紀はまだ古代だった/ 人類の友/ 馬と文明世界―戦車の誕生/ ユーラシアの騎馬遊牧民と世界帝国/ 1 西方ユーラシア/ 2 東方ユーラシア(ポセイドンの変身―古代地中海世界の近代性/ 馬駆ける中央ユーラシア/ アラブ馬とイスラム世界/ ヨーロッパ中世世界と馬/ モンゴル帝国とユーラシアの動揺/ 火砲と海の時代―近代世界における馬/ 馬とスポーツ)/ エピローグ―われわれは歴史の負債を返済しただろうか

【著者紹介】
本村凌二 : 1947年、熊本県生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。博士(文学)。専攻は古代ローマ史。主な著書に『薄闇のローマ世界』(サントリー学芸賞)など。『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 六点

    馬と人間との数千年に渉る歴史を追った一書。超古代に中央アジアで馬車と騎乗と言う概念を人類に齎したウマは、人間の最も忠実な下僕になった。そして人類に「速度」と言う概念を齎したのである。著者は測度の概念無くば人類は古代のまま現在に達していたであろうと述べる。そう、速度によって、距離をできる限りなくそうという営為は、現代に置いても膨大な努力を払って続けられている。ある意味、馬とは古代の揺り籠に揺蕩う我々に与えられた、パンドラの箱から飛び出した何かの破片かも知れ無いことであることだよ

  • ちゅんさん

    “もし馬がいなかったなら、21世紀もまだ古代にすぎなかったのでは?”という疑問から始まり、馬を通して世界史を捉え直すという馬&歴史好きにには読まずにはいられない内容。案の定、著者は競馬大好き人間で馬に対する愛情が溢れた良書。こういう『〇〇の世界史』のような本は気軽に読めて楽しく歴史を学べるから好きだ。あとがきの“ひとりの手で世界史を書くとなると、書き手はよほどの博識か愚か者ということになります”には笑ってしまった。

  • ヨーイチ

    馬の歴史を知りたいと思っていて、ドンピシャな本に巡り会い、即購入。出版社も厚さも手頃だったし。競馬は全く興味が無い。バード女史の「日本の馬は猛獣である」と言う記述がずっと気になっていた。あとシュリーマンが馬の乗り方が逆で繋ぎ方が逆(つまり往来に向かって尻を向けている?)で変だ、って報告していた筈だ。馬の運用から世界史を綴っている。馬と船の活用が歴史に大きな影響を与えて来たらしい。これは内燃機関が普及するまで続いた、ということはついこの間までってことになる。続く

  • マリリン

    馬の世界史から人間の世界史が垣間見える。馬が人間に飼いならされるべく進化し、速度という観念を変えてきたという遠い過去からの歴史が興味深い。その影響は流通や移動、文化の発展に寄与していた。アメリカ大陸に渡った馬にも触れていたが、遊牧民や闘い等に触れつつユーラシア大陸の馬の歴史について多く書かれていた。20世紀の競馬の世界を塗り替えたネアルコの話から著者の馬愛が伝わってくると共に、その歴史を知る事は面白い。『黄金旅程』を読みながら久しぶりの再読。

  • kk

    馬との関わりから捉え直した人類の歴史。我々のご先祖たちがもしも馬を飼い慣らしていなかったならば、歴史の流れは今の現実より遙にゆっくりしたものになってたに違いないとのこと。この本を書き始めたとき、真っ先に想定した読者は著者ご自身と曰うだけあって、馬への愛情と熱意に溢れた一冊。せっかく東ユーラシアの遊牧騎馬民族に着目したのだから、もう少し、鐙の発明の画期性とか、彼らが騎射に秀でることになった背景とかについてもうちょっとだけ蘊蓄垂れて頂きたかった。とは言え、著者の馬への思い入れの強さが心地良かったです。

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