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火影に咲く

木内昇

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087711455
ISBN 10 : 4087711455
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2018
Japan

Content Description

沖田総司、高杉晋作、坂本龍馬、中村半次郎……。幕末の京を駆けた志士と、想いを交わした女たち。
彼らが生きた、かけがえのない一瞬を鮮やかに描き出す珠玉の短編集。

「川というのは無慈悲なものよ。絶えず流れて一時たりとも同じ姿を見せぬのだから」(詩人・梁川星巌×妻・張紅蘭「紅蘭」)
「わしにもいつか、そねーな日が来よるかのう。日なたを歩ける日が」(長州藩士・吉田稔麿×小川亭の若女将・てい「薄ら陽」)
「死んだって、生きてるんだよ。なにひとつなくならない。あたしが、あの人を慕っていたことも、あの人があたしを何より大事にしてくれていたことも」(新選組・沖田総司×労咳病みの老女・布来「吞龍」)
「女がみな、惚れたはれただけで生きとる思たら、大間違いどすえ」(長州藩士・高杉晋作×祇園の芸子・君尾「春疾風」)
「しっかし、おまんは果報者じゃ。あがな美しいおなごに選ばれたがぜ」(土佐藩士・坂本龍馬×岡本健三郎×亀田屋の娘・タカ「徒花」)
「うちはな、中村様がほんまに好きやった。こないに心の底から人を好きになれんのや、と自分で驚いたほど、好きやった」(薩摩藩士・中村半次郎×村田煙管店の娘・さと「光華」)
以上、全六編収録。

【著者略歴】
木内 昇 (きうち のぼり)
1967年生まれ。東京都出身。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。2009年、第二回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞を受賞。2011年、『漂砂のうたう』で第144回直木賞を受賞。2014年、『櫛挽道守』で第9回中央公論文芸賞、第27回柴田錬三郎賞、第8回親鸞賞を受賞。著書に『新選組裏表録 地虫鳴く』『茗荷谷の猫』『笑い三年、泣き三月。』『ある男』『よこまち余話』『光炎の人』『球道恋々』など。

【著者紹介】
木内昇 : 1967年生まれ。東京都出身。出版社勤務を経て、2004年、『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。2009年、第二回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。2011年、『漂砂のうたう』で第一四四回直木賞を受賞。2014年、『櫛挽道守』で第九回中央公論文芸賞、第二七回柴田錬三郎賞、第八回親鸞賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • yoshida

    幕末の京。明日をも知れぬ命の志士達と彼等を想う女性達。彼等の不器用な優しさや想いが、切なさを生む上質な短編集。高杉晋作を描いた「春疾風」、岡本健三郎を描いた「徒花」、中村半次郎を描いた「光華」が好み。白眉は「光華」か。人斬り半次郎として知られる中村半次郎と、煙管屋の娘のさとの哀切。荒んだ半次郎の日常に日溜りを与えてくれるさと。お互いを想いあう二人。だからこそ、半次郎は鳥羽伏見の戦いの前に、彼女を守る為にさとを突き放す。彼は不器用な為に心と反することを告げる。受けとめるさとの健気さ、不憫さが胸を打つ。傑作。

  • いつでも母さん

    私は木内昇さんの作品が好きなんだぁ!と今作も確認させられる。幕末の京都、短編6作どれも好い。男はんの気持ちなどほんまは分からしません。女の本心とて分かっているつもりになっているだけなのだ。男同士だとてそうではないだろうか?それは今も変わらぬ男女の深くて流れゆく川の如くだ。だから人は面白いのだ。好みは『薄ら陽』『呑龍』『春疾風』『光華』さて、私は誰に思いを重ねようか・・

  • Die-Go

    図書館本。幕末の京を舞台に、男と女の情を描く短編集。沖田総司と老女の関わりを描いた「呑龍」目当てで読んだが、他の作品も粒揃い。特に、中村半次郎と町娘さとを描いた「光華」は、半次郎の決断とさとの気持ちのすれ違いがあまりにも切ない。★★★★☆

  • nico🐬波待ち中

    木内さんの幕末ものはやっぱりいい。今回は新選組のみならず、幕末の京を駆け抜けた男達と、その男達と想いを交わした女達による短編集。女が絡むと男も人間味が増して一層魅力的に映る。世の中が大きく変わろうとした時代、男達は己の信念を疑わず、側にいる女達もまた信じた男達を時に厳しく時に優しく包み込む。特に『薄ら陽(吉田捻麿)』『呑龍(沖田総司)』が良かった。決して歴史の表舞台には出てこないけれど、影に隠れてひっそりと、でも生き生きと咲く花達はみな惚れ惚れするほど素敵。切なくてやりきれなくて何度も涙した。良かった。

  • ちゃちゃ

    血生ぐさい臭いの漂う幕末の京を舞台に、各藩の志士や新撰組隊士と 彼らと関わりのあった女たちの生き様が描かれた短編集。出自の低さから懸命に生きても思いを遂げること無く落命する男たち。彼らにそっと寄り添う女たち。木内さんの美しく端正な文章で描かれた彼らの姿は心に深い陰影を刻む。『春疾風』長州藩士高杉晋作に想いを寄せた芸子島尾の、男に仕えるだけが女の生きる道ではないという矜恃。『光華』「人斬り」の異名を取る薩摩藩士中村半次郎と 彼を慕うおさとの恋の切なさ。歴史の影に生きる人々の心の機微が鮮やかに描かれた佳作だ。

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