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水木しげると京極夏彦 時代を超える「妖怪」の魅力 中公新書ラクレ

朝里樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121508553
ISBN 10 : 4121508556
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2025
Japan

Content Description

2025年に没後10年となる水木しげると、2024年に作家デビュー30周年を祝った京極夏彦。長年にわたって師弟関係にも似た交流を持っていた稀代の妖怪作家二人は、「妖怪」をどのように捉えていたのか。あるいは、彼らが描いた妖怪はどこがどう異なり、何が共通しているのか。二大作家の表現を比較検討することで、私たちにとっての「妖怪」とは何かまでを探る。両巨人の多大な影響を受けて、怪異・妖怪を研究するようになった著者の、妖怪愛にあふれる渾身の評論。

目次 : 第一章 ゲゲゲの百鬼夜行(二人の妖怪作家の出会い/ 世界妖怪協会/ 全集編纂という大仕事)/ 第二章 北西妖怪百景(水木しげるが妖怪に出会った境港/ 水木は妖怪を蘇らせ、妖怪は水木を救う/ 京極夏彦、書物を通して妖怪の世界を知る/ 妖怪小説家、デビュー/ 二大作家の妖怪観)/ 第三章 目に見えない世界を信じる(「目に見えない世界を信じる」/ 伝承からは切断された表現 ほか)/ 第四章 この世には不思議なことなど何もない(京極の語る妖怪の概念/ 「通俗的妖怪」という概念/ 妖怪の出ない妖怪小説/ 百鬼夜行シリーズにおける妖怪/ うぶめは姑獲鳥となり、姑獲鳥はうぶめになる/ ちりばめられた妖怪の素/ 回収される「うぶめ」の素/ 『姑獲鳥の夏』の妖怪描写/ 妖怪の分解と再構成/ 巷説百物語シリーズと江戸怪談シリーズ/ 水木しげるが作り上げた妖怪像の再構成)/ 終章 おばけは死なない(新しい妖怪は生まれ続ける/ 妖怪はカテゴライズされる/ 二人の妖怪偉人/ 妖怪は現代に生まれ、生き続ける)/ 水木しげると京極夏彦を深く知るためのブックガイド

【著者紹介】
朝里樹 : 1990年生まれ。作家、怪異・妖怪研究家。北海道・小樽市出身。法政大学文学部卒。専攻は上代日本文学で、卒論は「日本神話の妖怪について」。公務員との二足の草鞋生活を経て、怪異・妖怪の研究・執筆を続ける。2018年のデビュー以来、著作数は40冊を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 佐島楓

    わたしには水木作品はなんだかおどろおどろしくて怖い(でもなぜか『テレビくん』や『墓場鬼太郎』は幼児体験として知っている)存在だったのだが、一度きちんと読まないといかんかもしれんなという気持ちになった。京極夏彦御大は姑獲鳥の夏を読んでから構造を一度解体してから再構築する手法に驚愕して、これはおそらくこの著者にしか書けないと思ってから追い続けている作家だが、わたしはあまりいい読者ではない。でも必ずいつか講演会に参加して間近でお話を伺おうと決めた。チケットは争奪戦になるんだろうな。

  • yamatoshiuruhashi

    水木しげると京極夏彦の共鳴と彼らの描く手法からの、「妖怪」の捉え方を、真面目に論究した本。妖怪とは「感じ」であり、実体は本当は見えない物だが、それを誰でもが納得するような絵とその解説で表した水木しげると、彼の少年週刊誌活躍開始時期に著作に触発された京極夏彦の妖怪を因数分解しながら推理小説に迎える手法。それぞれの相乗作用が、日本の民俗に与えた影響は小さくない。

  • ぐうぐう

    水木しげると京極夏彦、この師弟を妖怪というフィルターから解読する。水木が妖怪を視覚化し『妖怪図鑑』を描いたのに対し、京極は怪異を感じるのはあくまで人間であり、妖怪を存在させずに妖怪の輪郭を人間を通して描いている。まるで異なるアプローチだが、二人が鳥山石燕の絵をベースに妖怪を存在させ(あるいは存在しているかに思わせ)ている点で共通している。にしても、水木の偉業なくして京極夏彦の現在はなく、もっと言えば妖怪文化自体もなかっただろう。

  • かりぐらし

    妖怪を絵によって現代に顕現させた水木御大。妖怪の姿を思い浮かべる時、大体の人は水木御大のイラストを思い浮かべるはず。そして妖怪好きに市民権を与えてくれた京極先生。京極夏彦が売れたおかげで姑獲鳥が一発変換出来るんじゃないかと思っている。京極先生は成功したオタクの代表格みたいな人だが、実際には長らく水木さん本人との接触は避けていたところがなんともらしいエピソードである。大体は知ってる話で目新しい発見は無かったが、妖怪好きとしては読んでいて楽しい一冊だった。

  • くろう

    このタイトル見たら買わずにはいられないでしょう。と言いつつお二人共未読ですが。。。妖怪と言えば、の二大作家と妖怪について語られた一冊。著者のお二人への愛が素晴らしく、時に推しを語るように、時に研究者として。読んでいてとても面白かった。師匠と弟子、漫画と小説、妖怪仲間。様々な縁のあった二人の見てきた視点や通ってきた道。全然違うのにそっくりなところ。これは二人の作品を読まなければ、という使命感すら感じる。巻末のブックガイドの熱量も素敵。何処から手をつけていいか分からない自分のような人の為の1冊でもある。

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