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植物少女

朝比奈秋

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022518842
ISBN 10 : 4022518847
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2023
Japan

Content Description

植物状態になった母とその娘、成長するにつれ、母の存在も大きく変化し―「生きるとは何か」を問う、静かな衝撃作。雑誌掲載時から話題、現役の医師だからこそ描けた真摯な母娘の物語。

【著者紹介】
朝比奈秋 : 1981年京都府生まれ。医師。2021年、「塩の道」で第七回林芙美子文学賞を受賞。受賞作を収録した『私の盲端』でデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Karl Heintz Schneider

    「わたしにとって、母は会いに行く人物だった。」自分を出産した時に脳出血のため植物状態になった母。生まれた時から病院のベッドで寝たきりの母に子供のころから、高校生になるまで病室に「会い」に行く美桜。とても悲惨な話なのに、あまりそれを感じさせない。美桜が物心ついた時から母親は今の状態だったため彼女にとっては、それが日常の風景になっている。母親は大脳は機能していないが、脳幹は生きているため口から食べられるし、代謝反応もある。母親の手のひらに自分の指を置くと握ってくれる。それを何度も繰り返す美桜がいじらしい。

  • mint☆

    美桜の母親は植物人間。その母のいる病室には同じように息をしているだけの人たちがいて美桜は細々と皆の世話を焼く。美桜にとっては生まれた時から母は寝たきりで、世話を焼いたり物言わない母に愚痴をこぼしたりする、それが当たり前の状態。対して他の家族は違う。いつか目を開けて話すことができると願っている。入院中の祖母が自分の酸素チューブを外して植物状態の娘に充てているシーンは胸がギュッとなった。ただそこで息をしているだけの存在が周りの人たちに様々な感情を抱かせる。淡々とした描写がとてもリアルに感じられた。

  • シナモン

    出産時に脳出血を発症、以来植物状態になった母親深雪とその娘美桜の物語。「みお、産まんかったらよかった?」と沈黙を続ける母親に訊ねる美桜。切なくなるが母娘の場面の描写は温かくて。確かにこの二人は母娘なのだよなぁ、親子の形に正解はないのだと思った。「普段ベッドの上でほとんど動きのない五人の人間は、まるで名画の中の人物みたいだったー」騒がしい世間を離れ、静かに呼吸音だけが響く病室。でも間違いなく生きている。生きるとは究極、呼吸すること。深く心に残る一冊でした。

  • なゆ

    いろんな母娘の話を読んできたけど、こんな母娘のカタチもあるのかと…読み終わってからもざわざわが残る。植物人間という言葉、よく考えると不思議。物心ついたときから植物状態の母深雪しか知らない美桜にとっては今の状態の母が母。だけど元気な頃を知っている父や祖母にとっては受け入れ難そうな複雑な心境で。病室が庭のように遊び、動かぬ母に甘えたり介助したりの美桜(思春期は凶暴に!)だけど、ちょっとやり過ぎでは?!なことも。呼吸のリズムと手をにぎってもらう、それだけなのに濃密なつながり。再婚に揺れる父もリアルだなぁ。

  • ネギっ子gen

    【思い返せば、わたしの今までの人生は、母が一体どういう人間なのか、そういった困惑に対応するために積みあげてきた層の重なりそのものなのかもしれない】出産時に脳出血を発症し、大脳のほとんどが壊死することで植物状態になった母とその娘・美桜。「生きること、救いとは何か」を問う、現役医師が描いた母娘の静謐な物語。端正な記述に惹かれました。<母がわたしの手を握る時、そこには何もなかった。空っぽの、輪郭だけの温かさにいつでも手を包まれておくことができた。掌の中でもわたしは自由なままで居られた。手を握るのが上手な人>。⇒

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