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日本の古代とは何か 最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像 光文社新書

有富純也

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334103774
ISBN 10 : 4334103774
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

奈良時代と平安時代はどう違うのか。これまでは律令制の崩壊や荘園の成立、藤原氏の台頭といった要素で説明されてきたが、近年はこうした教科書的理解では説明がつかなくなっている。二つの時代を比較しながら、最新の研究成果から浮かび上がってきた日本古代の実像を丁寧に伝える。国家のどこに権力があったのか?地方は誰がどのように支配していたのか?唐風文化から国風文化へという流れは本当なのか?受領は本当に悪吏だったのか?藤原道長が摂政だったのはたった1年だけ?―注目の中堅・若手研究者たちが、これまでの一般的理解やイメージへのアンチテーゼを織り交ぜながら、新しい歴史像・国家像を打ち立てる。巻末座談会「日本の古代とは何か?」も収録。

目次 : 第1章 “奈良時代の権力論”奈良時代の国家権力は誰の手にあったのか―天皇・皇族・貴族(古代史の中の奈良時代/ 律令国家の構造をめぐる議論 ほか)/ 第2章 “平安時代の権力論”藤原氏は権力者だったのか?(摂関政治像の転換/ 天皇を中心とした政治の再編 ほか)/ 第3章 “奈良時代の地方支配論”地方支配と郡司―なぜ郡司は重要なのか?(古代国家の地方支配を考える/ 郡司の重要性 ほか)/ 第4章 “平安時代の地方支配論”変貌する国司―受領は悪吏だったのか?(受領国司の登場/ 受領は強欲な地方官だったのか ほか)/ 第5章 “奈良・平安時代の文化論”“「唐風文化」から「国風文化」へ”は成り立つのか(教科書の文化史区分/ 「唐風化」の諸段階 ほか)/ 座談会 「日本の古代とは何か?」―司会・有富純也 磐下徹、十川陽一、黒須友里江、手嶋大侑、小塩慶

【著者紹介】
有富純也 : 1974年、福岡県生まれ。成蹊大学文学部教授

磐下徹 : 1980年、京都府生まれ。大阪公立大学大学院文学研究科准教授

十川陽一 : 1980年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部准教授

黒須友里江 : 1987年生まれ、東京都出身。東京大学史料編纂所准教授

手嶋大侑 : 1992年、三重県生まれ。同朋大学文学部専任講師

小塩慶 : 1993年生まれ、京都府出身。東京大学史料編纂所助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ぽんすけ

    通史ということで、現在に至るまでの古代研究の歴史がざっとわかる。又最新の研究についても触れられているので、自分が学生時代に習ったことと結構変わってるんだなぁというのがわかった。面白かったのは「受領」と「郡司」の話かな。尾張国郡司百姓等解と「受領は倒るる所に土を掴め」で受領=強欲で地方の人を虐げる悪人のイメージが強いけど、最近では摂関期の地方行政システムを在地の有力者と協力しながら作り上げた有能な者が多かったことがわかった。研究者達の地道な積み上げが歴史の理解の深化に繋がることがよくわかる一冊

  • bapaksejahtera

    我が国が中華文明を取入れて後、国風文化なる物が生まれる迄の黎明期について、若手研究者が自説を交えつつ最近の研究成果を披露する。@奈良時代の国家権力は誰の手にあったのかA藤原氏は権力者だったのかB地方支配と郡司C変貌する国司D唐風文化から国風文化へは成り立つのか。前後に前書きと座談会を配する。通説として我らの常識にある事柄の変化が、優秀な若手研究者の、それ故に忌憚のない記述によって詳説される。特に@シナと異なる女院等我が国権力の特異性、B地方支配における郡司の重要性C受領と任用国司による地方行政等興味深い。

  • まいさん

    日本古代史の中の奈良・平安時代について、中堅・若手研究者による最新学説の紹介と解説。中でも古代国家の地方支配のあり方については興味深かった。日本の古代とは何だったのかに対して、日本の社会・文化の土台が作られた時代であり、日本社会のスタートになったところであるようだ。

  • みのくま

    本書は若い世代の研究者による古代日本の最新研究の紹介であり、かなりわかりやすく解説されている良書。奈良時代から平安時代において律令国家がどのように運営されてきたかを天皇、郡司、国司、文化の観点から解説されている。どれも教科書的な内容からかなり進んだ研究が為されており、知識のアップデートの必要を感じる。天皇権力の構造や地方支配のあり方など、通説で語られる内容がいかに単純化され物語化されていたかを痛感する。他方で、そのような複雑性による物語の解体が現代日本にどのような受け止め方をされるのかは注視すべきだろう。

  • coldsurgeon

    日本の古代、奈良時代から平安時代までの、政治制度、中央と地方の統治の問題、そして唐風文化から国風文化について、最新の研究と若手精鋭の学説展開が読めた。歴史的事実がさらに明らかにされ、以前に考えられていたものと異なる歴史観を提示してくれた。古代とは、あるべき理想や理念tにこだわり続けた時代とは、うまく表現したものだ。

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